番次郎の盤上万歳!!: 「コプラス」発売と「努力」って何だろう

2017年7月30日日曜日

「コプラス」発売と「努力」って何だろう

私が「ネオン」という作品をウェブ上で見かけたのは、確か半年前に遡るだろうか。
色とりどりのタイルを配置すること、盤面のサイの目、たったそれだけの画像でも、見ているだけで心が踊り、どんなゲームとなるのかワクワクした。
ボードゲームに限らず、面白いゲームにはプレイするだけではなく「見ているだけでも楽しい」という側面が内在するもの。
それは時として人であり、言葉であり、また、盤面に展開されたゲームの空間であったりもする。
即座に魅了された私は、以来、発売を心待ちにした。
開発者のかぶけんことGAMENOWAの「かぶきけんいち」さんが度々「試作に苦労した」とツイートを流すたび、都度、応援のイイねを送った。
努力を積み重ね、決して諦めることなく、そしてつい先日、販売されることが正式に決定した。
実に、試作から1年以上の歳月が経過していた。

努力ってなんだろう。
この目に見えない「努力」という言葉に、私は魅了され、心踊らされ、揺さぶられてきた。

しかし

経験すれば自ずとわかるだろう。
この「努力」が必ずしも報われる保証など、ない、という残酷な現実に、人は時として対峙しなければならない。
「努力は報われる」と信じているうちは、まだ成長しきれてはいないのだ、と。
成長するためには努力を厭わない、それは確かに真実だ。
然るに、成長するためにどうすればいいか、について、単純に「努力」をイコールで結びつける、血と汗と涙と努力だけを考える、それだけでは、単に青春小説の域から外れることはできないだろう。
「努力しろっていうけれど、じゃあ努力してダメだったら、僕は、どうすればいいの?」
思春期からの素朴な疑問に、誰も具体的な回答を明示せず、ひたすら声高に「努力、努力」と訴えるだけの親、上司にうんざりした私は、大きくなった今でも時に精神を崩壊する事象に苛まれた。

努力、とは。頑張るって、何だろう。
そんな疑問が頭をもたげた時、ふと車内で流れたラジオのパーソナリティが明るい声でこう叫んだ。
「俺は、頑張りませーん!だって、頑張ると、疲れちゃうからね!」
他愛もないセリフだったが、この言葉に閃光が走る思いがした。
そうだ。頑張ると疲れるのだ。

老子の一文にもこう記載がある。

「反は道の動たり。弱は道の用なり。天下の万物は有より生じ、有は無より生ず。」
(還っていくのが道の動きであり、柔弱が道の要である。世のあらゆるものは名や形のあるものから生まれ、名や形のあるものは、名や形のないものから生まれる)
(老子「第40章」)

少し難しいので「バカボンのパパと読む「老子」」(ドリアン助川著)の訳も併せて記載する。

「雑草がアスファルトを破って芽を出すのは、芽の力がとても弱く、でも決して諦めないからだよ。芽の力が強いと、アスファルトには勝てなくて折れてしまうでしょ」

瞬発的な力を出すことは、意外と簡単にできる。
その場その場で即時的な力を発揮し、できなければ次、次、と、方向を風見鶏のように変えていくことで、それらは意外とたやすく達成可能なのだ。
これはできる、できない、を即断することでピンポイントに能力を集中することができる他、「無理、無駄」と呼ばれるものを極力排除することが可能だ。
これらが一般的に「効率化」と呼ばれる存在であるだろうし、上昇志向や省エネ思考をよしとする方の中には、それらを積極的に取り入れていることだろう。
確か三国志の世界にも、優柔不断が災いして憂き目にあった武将が存在したはずだ。
効率化万歳の文化は古今東西、時代や文化を超え、時代に求められる能力であるかのように映る。

しかし
天才の偉業を「高さ」だけ見るならば、そう感じとるのも然り。
本来見るべきは「歩んだ距離」であるべきではないだろうか。

たゆまず努力を重ねた年月
毎日、毎日、継続して行ってきた、そのモチベーションの維持
くじけそうになった時でも、毎日弛まず継続することができた周囲の環境
そこに試金石が眠っていたのではないだろうか。

努力することの難しさを、人は甘く見ている。
努力することの他に「頑張る」こととあるが、これらは似て非なるものだと考える。
人は頑張りすぎると、某進学塾よろしく「サボロー」を呼んでしまう。
「サボロー」は、人の隙間に付け入っては、頑張りや努力といった行為を断念させてしまう。
意識しなければ「頑張れば頑張るほど「サボロー」がつきまとう」というパラドクスに苛まれるのだ。


何故ならば
頑張った日は「今日はこれだけ頑張ったのだから、明日は休もう」と、自分を甘やかしてしまう。
頑張った人は「俺はこれだけ頑張っているのに、何故あいつは頑張らないんだ!」と、他人に厳しくなってしまう。
頑張ってしまうことで、サボローが、自分をむしばみ、他人に伝染する、という、最悪のスパイラルを生み出してしまいかねないのだ。

稚拙ながらこのブログも運用開始から2ヶ月になり、週1というペースで現在まで欠かさず運用できた。
ブログ開設当初、かぶけんさんから受けたアドバイスは今でも心に刻んでいる。
「マイペース、大事ですわ」
当時、日々の業務やボードゲームの購入に加え、クイズ制作やBOTの運用まで、何かと力んでいた私にとっては、まるで涙があふれんばかりの言葉だった。
力を抜くことの難しさ、と、それらを継続することの難しさ、そしてそれらを「努力」と呼称することの難しさを、改めて自覚することができ、私はかぶけん様に大変感謝している。
そして、それらを何らかの形で、とりわけ私でできることといえば、購入という形で、この先もささやかながら恩を返していきたいと考えている。


ネオンは「コプラス」と名前を変え、来週の名古屋ファミリーゲームフェスティバルで初披露される。


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