番次郎の盤上万歳!!: BABEL展と紙加工から見えた「可能性」の話

2017年9月18日月曜日

BABEL展と紙加工から見えた「可能性」の話

9月11日〜18日の間、新宿ゴールデン街「からーず」にて「みんなのBABEL」展が開催されると聞き、早速お邪魔する計画を立てた。

が、折しもこの日、台風18号が来襲。一度は計画を断念し、主催のたきざわまさかず氏にお断りの連絡も入れた。

しかし、天の思し召しだろうか、日頃の行いか、暴風警報発令にもかかわらず雲間から日が射すほどの天候に恵まれる。

この際理由はなんだっていい。行くしかあるまい。

私は急遽予定を変更。途中まで進めていた作業を全て放り出し、一路新宿へと車を走らせた。

ゴールデン街のからーずは、ロフトのような場所。
こぐま工房のたきざわ夫妻は連休中にもかかわらず、屈託のない笑顔でこちらを出迎えてくれた。

展示してある写真をしばし閲覧する。




BABELは正体隠匿系というゲームの特性上、人を欺く、言うなれば「勝利のためには人を陥れる」ゲームである。
言葉尻だけ拾うならば、実に意地の悪いゲームと言えるかもしれない。
しかし、こちらに展示してある写真は、どれも笑顔を浮かべるものばかり。

「ネットにある写真を(相手に承諾の上)展示している」と主催のたきざわ氏は話していた。
確かにネット上を検索しても、この作品で意地悪く写っている写真はなかった印象が伺える。

「笑顔になるボードゲーム」と耳にした時、大抵「協力ゲーム」「子供向け作品」といったものを安易に想像しがちだ。

しかし、ボードゲームに限らず、スポーツの世界もそうだ。
ラグビーもかつて試合終了は「ノーサイド」と呼ばれていた。「これまで敵対していた者同士ではあったが、試合終了後は同じ仲間」の精神に則っているらしい。(※現在は「full time」に置き換わっていると聞く)
ボクシングも、あれだけハードな試合を繰り広げながら、試合終了のゴングが鳴った瞬間、選手同士の熱い抱擁シーンが印象に残る。
具志堅用高元プロボクシング選手はとある新聞社のインタビューで「ボクシングは互いの選手が真剣に戦うことのできる素晴らしい競技」と話す。これはボクシングが単に殴り合いの喧嘩ではなく、拳を交わすことによる彼ら独自のコミュニケーションが形成されている、と暗に示しているとも取れる。

笑顔が生まれる、とは、それだけ「真剣だった」ということが言えると私は実感している。
スポーツでも、試験でも、全力を出しきることのできたという快感こそ、笑顔を生み出す何らかの脳内モルヒネが分泌されるのではないだろうか。

帰路につく途中、私が疑問に感じツイートした件について、盤上遊戯製作所様やペンとサイコロ様から実に丁寧な返答を頂いた。関係各位、この場を借りて感謝申し述べる。

一連のツイートを眺めながら、私はこのボードゲームという世界に限りない可能性、とりわけそれが「我々が従来持つ視点を変えることで生み出されるもの」を力強く感じることができた。
盤上遊戯製作所がボードゲーム製作に取り掛かったのは、これまで90年余りという長い伝統の中で、つい最近の出来事ではなかったか、と記憶している。
先回の当該記事に「現状を変えることの大変さ」について記述したが、それは積み重ねた年月に比例するものだ。
実に英断ではなかったかと思慮する。

可能性

私は今回、この「可能性」という言葉について、深く、深く考えさせられた。

先のBABELもそう。盤上遊戯製作所もそうだ。何かしら人を動かし、0から1、無から有を生み出すものとは何か

それは何より人ではなかっただろうか。

人が人を動かし、人が人に感化され、互いが互いに影響され、相互に支え合い、生きていく。
「人は一人では生きていけない」というが、正しくは「一人で生きてはいけない」し「一人で生きちゃいけない」のだ。

今回私は、稚拙ながらゲームマーケット秋に初参戦することとなった。
多くの方から背中を押され、クイズを作り、まさか小冊子を作り、販売することとなり、まさか自分が出展者としての立場になるとは、少なくとも1年前には想像もできなかったはずだ。
先の「可能性」を引き合いに出すならば、この参戦を踏み出すきっかけを作ってくれたのも、私の場合やはり人であった。
人の性格は変えられない、と言われているが、私自身はそう考えていない。私の性格や生き方を変えてきたのは常に周囲の人間であったからだ。

いつも親しくしていただくフォロワー様も同様に秋参戦の方が多数いらっしゃる。「ゲームカフェぶんぶん」様もそのひとつだ。こちらも先ほど発表があったばかりで私自身も大変驚いている。
ゲームカフェぶんぶんといえば、マグロ丼でも知られているが、オーナー・店員の人柄と、毎回驚くような企画・イベントを運営することでも有名だ。
そこに人が集い、人から人へと文化が生まれ、新たな可能性は無限大に広がりを見せるのだ。
そのぶんぶん様がまた新たな「可能性」に挑戦しようとする。
私も応援する意味を込めて返信のツイートを送った。


そんなやりとりをしているうちに、盤上遊戯製作所様から再度ツイートが届く。

紙は身の回りにありすぎて、皆様の注目は集まりにくいと思います。弊社だけでなく、全国の印刷会社さん、紙の加工会社の方々が、日々皆様のご要望に応えようとした結果が街中に溢れています。 ボードゲームを通じて、加工にご注目頂けるのは大変ありがたいです



台風はいよいよその猛威を振るわんとし、生い茂る木々はそれに逆らわんと右へ左へ大きく波打っていた。

私は雨風が強かに打ち付ける窓をぼんやりと眺めながら、先の盤上遊戯製作所様のツイートを頭の中で何度も反芻していたのであった。


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