番次郎の盤上万歳!!: 熱と量との三宮ボドゲフリマ体験記

2018年7月15日日曜日

熱と量との三宮ボドゲフリマ体験記

思い立ったら即行動

聞こえはいいけれど、その重い腰を上げるためには、数多くのしがらみが発生する。
それは僕の中で大抵「時間とともに増幅されるもの」と相場が決まっており、ならば答えは単純で、やられる前にやる、面倒だと思う前に、即座に行動に移す、と、最近は自分でも驚くほど突飛な行動を繰り広げている。

今回の三宮ボードゲームフリーマーケット(以下「三宮フリマ」)にしろ、時の大阪震災が発生した際、何か自分にできることはないか、といった正義感の塊だけであれこれと動き回ったに過ぎない。

気がつけば、翌日にホテルパックの往復チケットを予約し、「フリーマーケットはお得に買い物ができるから」と支離滅裂な思考で嫁の説得に成功、まんまと軍資金をせしめてきたのだった。

7月14日土曜日、当日は朝からむせ返るほどの晴天に恵まれる。
台風一過の猛暑日となるらしく、会場内もスタッフの方がしきりに熱中症予防を声高に訴えていた。
12時10分に到着した際は、すでに3、40人ほどの列が形成されており、中には関東でもその名が知られた有名人もちらほら。
事前に告知された待機場所は日陰のない駐車場地域、12時以前の列形成を厳に禁止されていたが、この炎天下での長時間の待機列は何をしなくとも体力を消耗する。熱中症患者も発生しただろう。途中スタッフが「所詮趣味だからな!」と警告したが、仰る通り、フリマとはいえ所詮は買い物に過ぎないイベント、体調を崩しては元も子もないのだ。

大きな混乱等もなく、13時開場
木造の会場内は強目の空調が聞いており、中に入ると外とのギャップで汗が引くほどだった。
今回の三宮フリマ、突拍子もなく馳せ参じた私にとって、特段これと言った目当ての買い物は数点ほどで、かぶきけんいち氏が手がけたゲームNOWA新作「宇宙(そら)逃げろ」、高天原イラストレーター「ぺけ」先生の手がけられた絵手紙、その他、関西でなければ入手できない作品があれば、と考えていた。有り体に言えば「中古作品」は(自分にとって)二の次、くらいに考えていた。

会場直後はやはり中古ブースが人気を博し、特に今回の売り出し作品を事前にSNS上で流すなど告知されていたブースには、黒山の人だかりができていた。
待機中は、事前に配布された会場マップを手掛かりに、周囲で補足するような形で、SNSを駆使して情報を収集していた。
ウェブ上にそれら出品リストや写真等が掲載されていたブースは、やはり当初から人気の様子だった。当然といえば当然か。

人混み、と言えど各区画の通路は間を隔てており、通行そのものに支障はなく、遠征の都合上スーツケース持参での参加となったが、嫌な顔をされることもなく、また、大きな荷物でごった返すといったような混乱は見受けられなかったのではないか。

荷物といえば、今回、有料で授乳室を使用できるとあり、ベビーカーを持参される家族づれも散見されたが、それに関する特に大きな注意事項等もなく、周りの配慮が聞いたイベントであったと後になっても実感できる。

会場の大きさは、体感として、関東の同イベントとしては「東京ボードゲームコレクション」が開催された会場、浅草の台東館に近似しているだろうか。

目当ての数点の買い物を無事に済ませ、残っているだろう中古ボードゲームを物色することにする。
和訳なし、といった作品はこうも値が下がるのか、といった具合に、名の知れた多くの作品が3割、4割引といった破格の値段で売り渡されていく。

見所はそれだけではない。

先に挙げた「ゲームマーケット東京会場には滅多に出展されない、関西地区限定のボードゲーム」や「この夏初めて販売される作品」などの作品を入手できる絶好の機会なのだ。
人気ポッドキャスト「いかとりにょりのいかがわしいラジオ」の出展「いかが屋」からは、先のゲームマーケット大阪でも好評を博した新作「花咲ヵポン」を頒布
関東でもその名を轟かす歌人「なべとびすこ」先生らが出展する「鍋ラボ」からは「行けたらいくわ太郎」「漢々楽々」
Lーtilesの復刻等で近年益々注目を集める「難波のクニツィア」こと「かぶきけんいち」氏率いるゲームNOWAからはダイスを使用した協力ゲーム「宇宙(そら)逃げろ」
もはや言わずと知れた作品「サザンクロスゲームズ」からは最新作「Age of Promote -大人脈時代-」
関西でその名を知らぬものはいないとされる前田部長のブース「ファミーリエ」には、巨大なコリドールなどの大型ボードゲームが、行き交う親子連れの視線を釘付けにしていた。
ゲームマーケット春には毎回出展を見送っている「北のレーザー職人」の看板ことCygnusブースでは、各種ボードゲームサプライ品の他、ツイッター上で話題となったレーザー加工品の展示、また浴衣姿の女性が威勢良く声を上げながらチラシを配布する姿が見受けられた。
兵庫県尼崎市の人気店「シャッツィ」は御夫婦でMeeplingブースを担当、今回を機にこのMeeplingは一旦グッズの販売を休止するとの告知があり、多くのファンがハンカチやイヤリングなどのグッズを買い求めていった。同ブースでは人気の連想ゲーム「CATS」も格安で販売があり、店主の人柄等も含め多くの方が足を止めていた。

他にも、直接参加したわけではなかったが、
DDTブースではハズレなしのくじに長蛇の列ができていた。
14時過ぎに開始されたオークションには、巨大キングドミノや筒型のTHE GAMEなど見慣れないボードゲームが数多く並び、マイク越しにはかなり高い額が飛び交う様子が想像できた。

一旦休憩し、3階の有料休憩スペースでしばし休憩を取る。
もちろん1階自販機前にも、ベンチ付きの休憩スペースがいくつか並んではいた。
しかし、この有料スペースがとても強く印象に残っていたので書き記しておきたい。
100人規模の人数を収容できるほどの広さを持つ会議室は、入退場自由、テーブルと椅子も用意されているので、購入したボードゲーム等をその場で遊ぶことができる。少し強目の空調も効いており、涼みにくるだけでも元が取れた。また中に常駐するスタッフの方は時折ボードゲームのインストを手伝うなど周囲に配慮されていらっしゃった。
昼過ぎに参加した際は、親子連れは下の階、すぐにプレイしたい層はこちら、と使用する層が分断されていたように感じる。これはスペースを3階としたことも多少影響したのかも知れない。

17時となり、予想以上の出費と、スーツケースの限界値を超えた荷物に悲鳴を上げながら、当夜予約を入れた先のホテルへと向かう。 

シャワーを浴び、ベッドで横になりつつ、膨れ上がった荷物を横目に、今日のことを色々と考える。
ゲームマーケット東京とは一味違う、コンパクトながらも、人の良さ、全体の雰囲気の明るさ、何より、要所要所で各ブースや運営スタッフ等一つひとつから「楽しんでほしい」を肌身で感じるような、言うなれば「底力」のような圧倒的パワーを体感することができた。

一般参加として、こうも「途中で帰るのはとても惜しい」と感じたイベントは珍しかったのではないだろうか。
まだ何かある、隠し持っている、と、秘めたるパワーの所以を奥へ奥へと探求するような、インカの黄金で味わった、恐怖心と探究心が入り乱れたあの心境だ。

眠気に押されつつ、購入した歌集「ふるさとと呼ぶには騒がし過ぎる」(なべとびすこ著)をパラパラとめくると、こんな歌が綴られていた

「絶望」の子音を変えたら「鉄道」になるから行ける Let’s go future.

今回の僕の旅は、まさにこの一首に集約されるのかな、と、まどろみながら考えたのだった。







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