2018年8月26日日曜日

すごいぞワンナイトマンション、スゴイぜ!ぎゅんぶくさん

今回はぎゅんぶく屋の代表「ぎゅんぶく」様(以下「ぎゅんぶくさん」)を紹介したいと思う
ぎゅんぶく屋といえば2016年「スノーマンション」に続く作品「ワンナイトマンション」を2017年に発表、ゲームマーケット秋、春と多くのお客さんで人気を集め、ワンナイトマンションは一時品切れが続くといった状況も。
今年8月に開催された「すごろくや祭」では常に人の途絶えないブースとなるなど、今話題のデザイナーである。

ワンナイトマンションについて簡単に説明したい。
(細部リンク先参照)




ある洋館(高級マンション)にて、館の主人が殺害されてしまった。
警察が来るのは翌朝。通信も途絶えた、そんな中、殺人犯を野放しにするわけにはいかない。
そこで全員が集まり、今夜一晩、殺人犯を地下牢に閉じ込めようと話し合いを行うのであった。

最初のプレイヤーは殺人犯も加えた人数分+2枚の山札から2枚を引き、自分が「担当したいと思った役職」のカードを手元に残し、残り一枚を別の相手に渡す。渡された相手は山札から新たに1枚を引き、2枚のうちから自分の担当したい役職を手元に残し、カードを持たない別の相手へ…
これを繰り返し、最後のプレイヤーは「地下牢に閉じ込めたい」1枚を決定、場の「黒の部屋」に裏向きで配置する。
3分間の話し合いを行い、誰が殺人犯のカードを持っているかを予想(地下牢に入っている場合もあり)。時間経過後に投票を行い、最も得票数の多かったプレイヤーの役職カードを改めて地下牢のカードへと配置。
地下牢に閉じ込めた(という設定の)カードをオープンし、翌朝、見事に殺人犯を閉じ込めることに成功できたならば一般人陣営の勝利。他の人物が入ってしまったならば、殺人犯陣営の勝利となる。


簡単なルールと、強い中毒性を秘めた様々な役職、ダークなシナリオとポップなイラストがマッチした世界観、
何より、短期的なシナリオの中に、人間の深層心理をえぐるように交錯する様々なドラマがわずか3分という時間の中で生み出される、傑作カードゲームである。


昨年、品川に所在するボードゲーム喫茶「天岩庵」で開催された「ゲームデザイナー座談会」の場で、面白いエピソードを拝聴する機会に恵まれた。

この「ワンナイトマンション」を作るきっかけとなったのは、人狼ゲームをプレイした時だという。

夜のターン、全員が目をつむり、占い師(夜の手番の際、該当する人物が人狼か否かを確認することができる)がぎゅんぶくさんを指名して宣言する。
「あなたは人狼ですか?」
この呼びかけに、通常なら周囲に気づかれないようハンドサイン等で合図するところを、うっかり
「はい」
と、声に出してしまったのだ。

失敗し赤恥をかいたぎゅんぶくさんだったが、そこで挫けることはなかった。
「人狼が苦手な人でもわかりやすい、そんな人狼ができないだろうか…」

そこで生み出された「ワンナイトマンション」は、従来の人狼ゲームとは異なる点が多く、一例を挙げると、目をつぶったり、他人の役職を確認したり、ゲームに参加しないGM(ゲームマスター、司会進行役)を必要としたり、といった行為が極力排除され、ルールそのものの簡略化に成功している。
初めてプレイした私は、人狼というよりむしろ「クク21」に近い印象を受けた。


作品そのものの魅力は実際にプレイしてもらうこととし、ここではぎゅんぶくさんの人柄としての魅力を更に掘り下げていきたい。


ぎゅんぶくさんはとにかく活動的だ。

都内各所のボードゲームカフェでは、定期的に「ワンナイトマンション体験会」が開催され、連日多くの参加者がワイワイと対戦を繰り広げている。
参加者の中には、この作品に合わせて日程を調整する「追っかけ」も存在するほどだ。

体験会に併せ、ぎゅんぶくさんはテストプレイ会や、作品そのものの感想などを直接生の声で聞き、作品にリアルタイムで磨きをかけている。

その際のテストプレイ会も、実に今年の年初から開催し、怪盗のイラストも数回ブラッシュアップされている。

回数に回数を重ね、洗練に洗練し、多くの労苦の元に完成された作品は、デザイナーのぎゅんぶくさんはもとより、他の作品よりもひときわ多くの方の目が、手が、愛情が、育まれた、いわば「皆に愛されし作品」である。

そしてこの夏、ワンナイトマンションは新役職を加えた拡張「アナザークリミナル」を発表し、コミックマーケット夏で頒布、中には複数個購入される方もいらっしゃったというほどの人気ぶりだったという。


ぎゅんぶくさんは、天真爛漫だ。

サスペンスな内容とは対照的に、とても人当たりがよく、疲れていても、いつも笑顔でゲームの説明をし、流れる汗を止めることなく、ゲームの参加者に加わる。
いや、ひょっとすると私が見ている陰では別の顔を見せているのかもしれない。
そうであろうとも、オンとオフの切り替えがハッキリできる方として尊敬できる。

笑顔の傍らには、多くの人が集う。
ぎゅんぶくさんのブースには、デザイナーという括りだけでも、「ボドっていいとも!」メインMC「翔さん」、オオツカ製作デザイナー兼Gamez白楽火曜店長「大塚健吾さん」、river gamesデザイナー「シキリト」さん、同ブース「魔法陣のルール(仮)」デザイナー「しろこど」さん、雑誌ALL GAMES出版AHC代表あまおち総統、etc…etc…枚挙にいとまがない。

フォロワー様の言葉を借りるが「良い店(居酒屋)は、その店の常連客で決まる」という言葉がある。
人格を形成するものの尺度として、集まる人の人となりを観察される方もいらっしゃることだろう。

ぎゅんぶくさんの元に集う方はいずれも「職人」さんであり、「情に厚く」「楽しむことをとことん追求」される方ばかりだ。

当然、女性層のファンも多い。
体験会には女性も多く、これまでの人狼ファンに加え、人狼を苦手としてきた層も加えた大勢の女性客が顔を覗かせている。

私と話すとき、ぎゅんぶくさんはいつも照れながら、腰を低くし、はにかんだ笑顔を見せる。
この人あたりの良さこそ、ぎゅんぶくさんの持つ魅力のひとつなのだろう。


そんな「ぎゅんぶくさん」のワンナイトマンションは、今年のゲームマーケット日本一を決める祭典「ゲームマーケット大賞2018」において、並み居る作品を抑え、現在まで一次通過を果たすなど、その人気は途絶えることを知らない。


良い作品は、良い人が紡ぐ

飛翔する翼の裏では、誰しも悩みがあり、苦しみがあり、悲しみがつきまとう

諸所反論はあれど、私は「人の心を動かす作品」とはこうあるべきだと思うし、むしろ「こうありたい」と願っている人間の一人なのだと、このブログを執筆しながら改めて考えたのだった。



ワンナイトマンションはすごろくや、イエローサブマリンを始め全国のボードゲームショップ他、大手家電量販店でも絶賛発売中です。




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