2019年6月15日土曜日

考えるって面白い!〜私の目指す「名脇役」の存在〜

私の中の傑作ボードゲーム「あてっこついたて」が、この春「ATEKKO(アテッコ)」というタイトルでリメイクされた。
豪華なコンポーネントにユーモラスなデザイン、これらが3000円を下回る価格で比較的容易に入手できることは本当に嬉しい。

この「ATEKKO」という作品、最初に断っておくと、やはり「一緒に遊ぶ面々で」面白さは少し左右される。
単に勝利しようとするならば、まずお題に対し難解な解答を書くこと(自分に自分の解答は回ってこない)、「パン」というテーマなら「明太子フランス」や「乾パン」、「寿司ネタ」なら「とびっこ」や「うなぎ」あたりだろうか。
そして質問も「ひらがな3文字ですか?」「赤いですか?」といった、言うなれば調書を取る形で徐々に絞り込めば、意外と目指すべき推理の方向性が見えてくる。
しかるに、このゲームの面白さは左にあらず。
単純明快なお題+ひとひねり加えたお題を提供し、回答結果で概略がおぼろげにつかめるような「面白い質問」がひねり出せたならば、俄然その場は盛り上がる。
「そのパンは食べることで主食となりますか?」「回転寿司では安い方の皿に乗っていますか?」
「質問力、問われます」この作品のリードコピーが意味するところを、私はそう捉えている。

同じくゲームマーケット春に、リゴレからワードスナイパーの新作「イマジン」が登場した。
「想像力」をテーマとする本作は、お題となる内容も「10分でできること」「東京ドームより広い場所」などの、知識とは一線を画した「イメージ」で回答する作品に仕上がっている。
基本のルールは早い者勝ちであるので、勝敗を意識するならば語彙量の豊富なプレイヤーが跋扈する印象がある、
かと思いきや、こちらも初めての方とプレイする際に、思わず周囲も「深イイ」を連発するほどの名回答が続出する。
「「や」のつく「燃えるもの」→「野望!」
「「け」のつく「生きていく上で必要なもの」→「経験!」
etc…。


私は自分の好きな作品を、自分だけではなく周囲に布教したいと考える少々「お節介焼き」な人間だ。
その為には「私自身がバイプレイヤー(名脇役)となること」が何よりも大切ではないか、という結論に至った。

上記に挙げた作品に限らず、すべてのボードゲームにおいて、私はさほど勝敗を意識してはいない。
強いて挙げるならば「その場の盛り上がり」を強く意識している。
こう記述すると一部から「勝敗があってこそのボードゲームではないか」と反論が上がるかもしれない。
一家言加える前に聞いてほしい。
私は考えることが大好きだ。
何か周りに面白いことはないか、自分で何か面白いことはできないか、そんなことばかり考えながら日々を過ごしている。

拙著「Analog Game GAME アナログゲームのなぞなぞブック」や「ボードゲームクイズ」を執筆した際、常に念頭に置いた言葉がある。


拙著「AnalogGameGAME」あとがきより


「考えるって、面白い」

慌ただしく過ぎる日々の生活で、ふと立ち止まり周囲を見渡すと、実は日常にひっそりと潜んでいた、よくよく考えると不可解なもの、出来事、現象。
空気は透明なのに何故空の色は青いのか、鏡が何故左右反対に見えるのか、お風呂に入ると何故気持ち良いのか、等々。考え始めるとそれこそキリがない。
そんな疑問の数々を、何故そのまま放置してしまったのか。
それはおそらく我々現代人が、生きることで必死となり、あるいは忙しさにかまけ、無意識の中でそれら疑問を背景と同化させ「考えてしまうと余計な労力となるから」と、敢えて我が視界の見えざる位置へと遠ざけてしまったからではないだろうか。

「考えるって、面白い」
スタピー、と聞けば「スタートプレイヤー」の略を思い浮かべ、スリーブをかける、といえばカードを保護するフィルムを装着させる姿が安易に想像できる。
今でこそ「ボードゲームで遊んでいる人なら知ってて当然」とされる言葉ひとつ取っても、ふと立ち止まって考えると、やはり側から見ると少し不思議な用語が飛び交っていることに気づかされる。
スリーブの語源は、洋服の腕を包んだり隠したりする部分を意味する言葉で日本語の「袖」に該当する。袖のない衣装をノースリーブ(no  sleeve、ちなみに和製英語) というが正にそれだ。「包む、隠す」という意味合いから、カードを保護する「スリーブ」の意味に派生したと考えられる。
ボードゲームであれ、クイズであれ、さらには勉強と呼ばれる諸活動ひとつひとつを取り上げても、先のような「発見」ができることに私は至上の喜びを感じ、ボードゲームプレイ中もその辺りを意識つつ、決して相手を過度に盛り立てることなくプレイするよう心がけている。

このブログでも何度か綴ったが、ボードゲームは一人ではプレイできない。
だからこそ、一緒に卓を囲む相手には「面白かった!」と感じて欲しい。
だから私は、強すぎず弱すぎず「一緒に遊んで面白い人」になること。
その為には「この人と遊ぶと、何か面白い発見がある!」と感じてもらえるような、そんなプレイヤーを目指す。
それが次にご一緒する際の見えない引き金となり、ひいては私が抜けた後でも、それら作品に興味を持つ発端となった先の「ボードゲームの面白さ」に繋がるのではないか。
その一端を私との卓で発掘できたならば、これに勝る喜びはない。

その為にも、私自身がエンターテイメントを一から学び、どんな方からも「また遊んでください!」と乞い乞われるような、私はそんなバイプレイヤーを目指し、日々研鑽していきたいと思っている。

ボードゲームって、考えるって、面白いよ!

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