2019年7月21日日曜日

「楽しみ」を刺激する側へ 北海道滞在記 その2

前回に引き続き、北海道遠征に関する内容です。

番次郎の盤上万歳!!第111回「そっと、手を取り合って 北海道ボドゲ博1.0備忘録」
https://hibikre.blogspot.com/2019/07/10.html

今回は北海道滞在中の、特に北海道ボドゲ博以外での出会いを中心に綴っていきたいと思う。

7/12 金曜
北海道に足を踏み入れたのは、実は前回冬以来、ではない。
ちょうど3ヶ月前だっただろうか。

「(北海道)ボドゲ博、興味はあるけれど、場所が遠いんだよなぁ」

そんな声を耳にし
「んなことはない!ならば今ここで俺が、パッと行って、パッと帰ってきてやる!」
と、勢いそのままに、翌日本当に札幌入りし、そのまま日帰りしてしまったのだ。
いやはや、勢いとは恐ろしい。


3度目となる札幌のボードゲームカフェ「こにょっと。」様



多くのボードゲーム界隈の著名人が通う有名店は、きむち。店長らをはじめ、明るく知的なスタッフが迎える。
胸に描かれた「インストできます」のTシャツがとても心強い。

待ち合わせの時間まで、自前のボードゲームを広げる。
私は特にトランプなどもプレイするので、41、カシノ、ゴルフ、ポートランド、ドゥピトーなどの作品も積極的に勧めて回る。


途中で通された親子連れと、たまたま遭遇した金沢ボードゲームマーケットスタッフの方々と共に卓を囲む。

小学生ほどの見た目のお子さんは翡翠の商人が大のお気に入りで、何度もプレイをしようと持ちかけた。
この辺りが興味深く、新しい作品を次に、次に、とプレイする私のような人間と違い、面白いと感じた作品を、味わい深く、じっくりと何度もプレイするのだ。
人によってスタイルは様々であることを痛感した。

金沢ボドマのスタッフも大変知的で、多くのボードゲームをプレイされていらっしゃる様子。
熱心だからこそ、それらに甘んずることなく、より多くの作品を求め、何より、どんな作品であろうとも全力でそれらを楽しもうとされる。
そんな姿に心酔し、次回のイベントも是非私の方でご尽力できることがあれば、と約束した。

しばらくして、やすらぎ企画のオヨット氏が来店。
私の中で今一番流行を見せる「ラマ」を同卓頂く。

オヨット氏は今回「三村人狼」という作品で北海道ボドゲ博に初出展されるとのこと。
都合により本番は顔出しできないとのことで、作品を先んじて受け渡してもらった。

トリックテイクに、人狼ならではの特殊効果がこれでもか、と搭載された特殊な作品。
かなりのバランス調整が行われたに違いない。
丁寧にバランスよく綴られたカードには、製作者のそこはかとない熱意や愛情が感じられる。


前回、前々回の北海道でも感じたことだが、時に人は無性に「滑稽さ」を欲しがるのではないか。
言うなれば、曲芸師が揃うサーカス団に光る、道化師役を乞い願う部分だ。

歳を重ねるに従い、あるいは、知力、体力、何かしらの力や自信をつけることで、自然とプライドも身についてしまう。
プライドをかなぐり捨て、何かを皮切りに道化の役を名乗り出ることは、とても、とても勇気のいる行為ではないか。

笑顔で対応するきむち店長、それらを支える大勢のスタッフ、終始笑顔の絶えなかったオヨット氏ら同卓された方々。
理解のある常連とおぼしきお客様が笑顔で支え合うからこそ「こにょっと。」が長く、そして多くの方に愛される存在ではないか。
わずかな滞在の中、笑顔で溢れる店内の雰囲気が、そう物語っていた。

オヨット氏と無事に落ち合った後も、引き続きゲームを広げていると、5時間という時間はあっという間に過ぎた
明日のこともあり、こにょっと。様を離れると、外は大降りの雨。
翌日の天候を気にしながら、足早にホテルへと戻っていった。


ボドゲ博の翌日は、大地氏のお誘いもあり、急遽、小樽市はキンダーリープ様へお邪魔する。

木の手触りと飴色の色合いが味わい深い、メルヘンな世界を切り取ったようなたたずまい。

中に入ると、一面、おもちゃ箱をひっくり返したような世界で溢れ、からくりの人形や見たこともないボードゲームが、所狭しと並べられている。

会を催すクレーブラッドの「はた」社長。
ボードゲームに初めて触れるであろう方にも、丁寧かつ紳士的に、わかりやすい口調で説明を繰り広げる。
店内で買い物をする多くの家族連れが、物珍しげにテーブルへと足を運ぶ。

はた社長は、今回のボドゲ博でも多くの国内作品を委託し、持参された方でもある。
委託を呼びかけた瞬間、即座に集められた作品の数々が、このクレーブラッドが持つ信頼の証を物語る。
搬送が困難とされたワードミノオーガナイザーも、自身の荷物の分量を割いてまで持ち込んだほど、作品への情愛を注ぐ方だ。

キンダーリープ様を後にし、短い滞在時間の北海道を後にする。


今回の北海道旅行を通じ、もっと自分は提供する側としてのセンサーを鋭敏に感じ取らなければならないと、強く感じた。

「楽しみたい」
それは多くの人の根底に眠り、何かの刺激を受けることで覚醒し、さらなる刺激を受け各人の持つ興味関心を呼び起こす。

情報化社会が叫ばれて等しい昨今、街を見回すだけで数多くの情報が、あたかもマリンスノーのようにズンズンと降り積もる。
多くの方が口を開けながら「何か面白いことでも、ないかな」と立ち尽くす中、今回出会ったきむち店長、はた社長をはじめ、ボドゲ博スタッフや出展者の方々、キンダーリープ店長や金沢ボドマスタッフなど多くの方が、ボードゲームという媒体を通じ、コミュニケーションの良さ、勝敗そのものが持つ思考の愉しみなど、ボードゲームを媒介とし、多くの感度を刺激しようと試みていたように感じた。

センサーを刺激する側は、時に道化の役を演じ、その影では尋常と呼べない努力を重ねながらも、相手に対しては汗など見せることなく、あくまで平然と、笑顔で接する。
強く、かしこく、何よりカッコいい。

“ほ ほ 蛍こい こっちの水は甘いぞ”

それはまるで、光り輝く蛍の群れを、そっと呼び寄せるように。

北海道という地で「ボードゲームの楽しさに触れるきっかけを待っていた」多くの方々が、今回の濃密な3日間をきっかけに、水の波紋が広がるが如く、輪を広げ、静かに、その小さな一滴が、北海道の大地に大きく芽吹きますよう。


・・・。

からりとした空気から一転し、未だ梅雨の開けない関東は、むせ返る暑さが漂っていた。

帰ってきた。
さあ、次回は私が、そのきっかけを生み出す手番となるのだ。







 





0 件のコメント:

コメントを投稿

目に見えない精神の話

 7月12日(月) レイアウトに少しずつ手をかけることにした。 ノートに書いて、パソコンの画面に落とし、画面を調整する繰り返しだ。目に見える形にすると、抜けた部分が見えてくる。 その中で気がついたことがある。 世界樹の迷宮という私の好きなRPGがある。 その隠しダンジョンの話だ。...