2019年12月16日月曜日

時間という宝物 関西遠征 その2


大阪に行くと決めた。
先週も足を運んだばかりだというのに、だ。
計画性の無いすちゃらかな私のこと。「なぜ関西に?」と問われても、特に気の利いた返しなどあるわけもない。
ジョージ・マロリーっぽく「そこに大阪があるから」とでも答えられたら、少しはかっこがついたのかもしれないけれど、現実は「年末年始はゲームマーケット大阪、春の原稿で缶詰になる予定なので、まとまった時間はここしかない」だった。
先週と変わらず、あたかも軽いドライブに向かうような軽〜〜い足どりで、私は一路
大阪へと向った。

新横浜駅、朝6時。
冷たい外気を吸うと、兼ねてから軋んだ虫歯がうずき出した。
この時間からすでに待合室は混み合い、キャリーケースを傍に多くのビジネスマンや家族連れが所狭しと姿を見せた。
いそいそと乗り込むと、普段からの疲れからか、新幹線の中では強烈な睡魔に襲われ、結果、カバンに忍ばせた数冊の本は目次すら開くことすらできず、僕は緩くなった目覚めのコーヒーだけを無駄に飲む羽目となった。


午前9時47分、新大阪に到着。
突発的な弾丸旅行とはいえ、向かう場所は決まってお世話になったボードゲームカフェ・プレイスペース様へのご挨拶まわりが主だ。
まずは昭和町のデザート*スプーン様へ。

ボードゲームセレクションのパーカーを羽織った店長がこの日も笑顔で迎える。
店内は以前よりもさらに豊富な品揃え。先週はフリーマーケットも開催される、変わらずの人気ぶりだ。

ここ昭和町周辺にも、ボードゲーム カフェ・プレイスペースの出店がこの1年で相次いだとのこと。
出店が多いということは、それだけ一般の方々に求められ、ある程度の集客も見込まれるからだろうか、と、素人の私は短絡的に考えた。
知的な店長とあれこれ話し込むうちに、1時間という時間はあっという間に過ぎていった。

次の目的地は東貝塚のファミーリエ様だ。
こちらでは本日ごいたの大会が開催されるとのお知らせツイートをお見かけしたばかりだ。




店内では、先月も神奈川でお世話になった店長と御子息、同じく白い法被姿の四国ごいた保存会を務める治朗さんが大会前の一戦を交えていた。
私も混ぜていただく。
実はごいた、しかも竹駒を打つのは数年ぶりのことで、ルールミスのチョンボもしでかすなど迷惑をかけてしまった。

竹駒のフィット感、竹の持つ独特の温もり、そして打ち出しの心地よい音、等々、カードやアプリでは味わうことのできない快感に、プレイ中も思わず笑みが溢れる。
何より、周囲の方々が楽しくごいたを打つ卓という環境にも恵まれ、私は時間を忘れ終始楽プレイに没頭した。
そういえばアニメ放課後さいころ倶楽部内で「ごいた」が取り上げられた際も、あくまで主観だけれど「楽しくプレイするスタイル」に内容が傾注されていたように感じた。

東貝塚を後にし、次なる目的地へ。加古川市内の某病院に向かうことにした。
入院・リハビリ中の「駒の時間」のkomaさんのところへお見舞いに行こうと考えたのだ。

東貝塚~加古川、地図アプリ上だと実に98kmもの行程となる。
数年前まで住んでいた山梨の中央線最寄駅「大月駅」~「東京駅」が約92kmだから、私の中の「移動感覚」はいつの頃からか大きくねじ曲がってしまったのだろう。

病棟には16時に到着、komaさんはプレイスペースで見せるいつもの笑顔でこちらを出迎えてくれた。
手元の紙バッグには、お店で独りを頑張るTokiさんが運んでくださったという数種類のボードゲームが顔を出していた。ボードゲームは周りの方々とも盛り上がりとても良かったとのこと。

面会スペースでお話を、は良かったものの、どちらかといえば普段身体にムチを打ちながら制作にはげむ私が逆に励まされる形となり、なにかとても申し訳ない思いでいっぱいとなった。

元気な姿のkomaさんは、周りに余計な心配を与えないよう、ツイート上にて極力多くの情報を出してきたのだという。
それはあたかもデキる指導者が部下に余計な不安を与えないような、温かい優しさや心温まる気遣いのようにも感じた。

励ましのパワーを頂戴した僕は、用意したお土産品を無事に手渡すと、この日は宿へと向かい早々に休むことにした。

翌朝はチェックアウトギリギリの時間までベッドに横になりつつ、簡単に身支度を整えた。
この日はまずボードゲーム アイドル、バーチャルボドチューバーなど多くの方に愛される「翔さん」も愛する、阪急梅田駅地下のミックスジュースを堪能する。
健康に気遣い、小松菜入りを堪能。




さっぱり飲みやすく、飽きの来ない味。
何杯でも毎日でも口にできる、大阪の方に愛される、いつもの、定番の味だ。



堺東駅へ。
新装オープンするヒカリゲームズ様へご挨拶することが目的だ。


前日のツイートからもかなりの疲労の様子を見せる店長は、それでも笑顔をこちらに向け、手厚くもてなしてくれた。


広く明るい店内はビルの高台に位置し、堺東駅を眼下に見下ろす抜群のロケーションだ。
ネスターゲームズにラブリー会様の作品など、関西でもここでしかお目にかかれない作品も数多く取り揃える。

開店から時間も経たないうちに、続々と常連のお客様が訪問される。
関西の有名ボードゲーマー山路さん親子は盤祭2ndでも大変お世話になり、今回も駄菓子のたくさん入った包みを頂戴した。
手には、タイトルこそ失念したものの、初めて目にする海外製のトリックテイクの小箱を抱えていた。

「堺市最強のボードゲーム団体」を謳うAVE!EURO GAME、通称AEG様にも2年ぶりの再開を果たした。
前回のゲーム会からまる2年が経過し、あれから自分も本を出し、ブースを出展し、あまつさえ漫画まで描くようになったと無事に報告を果たすことができた。


会員証を頂戴する。きちんとこちらの名前が入った、世界で一枚の会員証だ。
溢れるほどの温かさに、関西ならではの人情味をひしひしと感じ、思わず涙腺が緩む。


次はいよいよ谷町四丁目のプレイスペースGuild様へ。
こちらの忘年会に参加することが、今回の旅の行程唯一の目的だ。

13時スタートの忘年会では、製作者と愛好者が入り混じり、多くの卓でボードゲームが展開されていた。
オーナーを務める大阪さんはこの日も元気な声で説明(インスト)に奔走し、店長を務めるありささんが来店される方一人一人を丁重に対応する。今年は「エレベーターオペレーター」「ウケセメっ!」など数多くの作品にイラストを提供されるなど一躍を遂げた方だ。
6月開催のクリエイター交流会同様に、今回も参加する際は「肩書き」を表明する。
私は赤いマジックで「ボードゲームの本屋さん 番次郎書店店主」と書き記した。

荷物置き場も兼ねた会議室では、ツイート上でもお世話になっているメシノさんが土鍋を持参し、ガスコンロでご飯を炊いている最中だった。
水加減に火加減、全てに妥協のない炊き立てのご飯には、北海道から取り寄せたという「山わさび塩」が振りかけられる。


飾り気がない分、お米の純朴な甘さが一際引き立ち、噛むほどに唾液がしたたる、まさに「和のパティスリー」だ。さながらメシノさんは「和のパティシエ」といったところだろうか。

折角なのでメシノさんや、たまたまお見えになった万屋楽団のアサトさんを交え、数作品をプレイする。
・カンダタと愉快な亡者たち
・CHONMAGE ON THE HEAD
・ATEKKO(ルールはあてっこついたてに準拠)

数作品ほどプレイすると、全体ゲームの時間となり、司会の「いかとりにょりとおけいのいかがわしいラジオ」MCの方々が場を取り仕切る。
今回のゲームは「ストレイキャット、サンタver.」
場を求めてうろうろする猫の動きを予想し、出来る限り多くの得点を獲得するゲームだ。


猫サンタの移動したマスに投票した人に得点が入るものの、猫サンタは少数派のマスに移動するため、できうる限り誰も投票しないであろう箇所に自分だけ投票すれば高得点を獲得できる。
そのため、右へ、左へ、と予想だにしない猫サンタの動きに全員が翻弄され、場は一気にヒートアップ。
そんな応援をしってか知らずか、サンタ猫は「ロンゲストロード」を獲得したり、またあるラウンドでは、サッと歩みを止めたり、など、さながら皆の応援をもてあそぶかのような動きを見せた。
3ラウンドが終わり、結果私は51点。
上位4名が表彰されるとあり、最多得点は140点、ウケセメっ!制作の宮野華也さんも第2位と健闘を見せた。ちなみに、第1位の方は謎解き制作などを手掛けられる方と記憶している。

夕食の時間となる。から揚げにピザにハンバーグ、もちろん先ほどのメシノさんの土鍋ご飯もカップに盛り付けられて沢山用意された。
前回6月のクリエイター交流会も同様だったが、盛り付けられた料理が瞬時に消えていく。

帰りの新幹線が迫り、私は何度も御礼を伝えながらguildを離れ、新大阪を立った。

新横浜駅のホームは冷え冷えとし、これまでほっこりとした私の体を急に冷やしにかかった。
「横浜線は上下線とも運転を見合わせ~」のアナウンスが流れ、私は止む無く別の駅に降り、2キロほど離れた家路を歩いて帰ることにした。


ホットのレモネードを傾けながら、今日の旅路での出会いを振り返った。
時間的余裕のないまま挨拶周りに奔走した先週とは打って変わって、比較的のんびりとしたご挨拶まわりだった気がする。(あくまで「気がする」だけ)
アイドルでも有名人でもない、どちらかといえば一般人に傾いている自分だ。
そんな手にとるような作品も何も持ち合わせていない自分が、ご挨拶のほかに提供できることとは何だろう、と自問してみる。

それは「ともに時間を過ごすこと」ではないかと考えた。


昨年6月、大阪北部を中心に大きな震災に見舞われた。
しかしながら、現在はそんな影すら微塵に感じないほど現在は復旧を遂げている。
「今こそ「なにわ」の底力を」をスローガンに、関西一丸となって復旧活動に取り組んだ話題は、今でも記憶に新しい。

関西に行くと、毎回私は、特別なグルメ観光もたくさんの買い物も後回しにし、まずはお世話になった方々との交流を楽しみに向かっていることに気がついた。
関西の方はいつでも温かく、家庭的で、関東の私でも軽蔑することなく、いつでも笑顔で迎えてくれる。
そこに恋人のような淡いドキドキはないけれど、いつでも会えるという絶対的な安心感と、まるで菩提樹のような芯の強さを実感する。
上手く例え切れないけれど、それは関西風の言葉で「おかんのような人柄」とも表現するのだろうか。

そんな方となら、大切な時間をいくら消費しても惜しくはない。
歳を重ねた今自分だから尚のことかもしれない。
身体よりお金より、何よりも時間というものは本当に大切に感じるのだ。

だから、大切な人との時間をこれからも本当に大事にしたいと願うし、その逆に、相手からも「もう一度逢いたい」と乞い願われるような。

自分もそんな人間になりたい。
その一心で、これからも頑張ろう。

無理のない範囲で、ね。


山路さん親子から頂いた駄菓子をかじりながら、いてもたってもいられなくなった私は、今日もまた遅い時間まで作業を続けることにした。
アサトさんからアイデアを頂戴した「アハムービー」は、何気ない一枚の画像が徐々に変化を遂げるというクイズだ。

日常もこんな風に、気づかないうちに、少しずつ、少しずつ、変わっていくものなのかな。
流れる画像をスマートフォンで追いながら、私はボンヤリとそんなことを考えていた。

デザート*スプーン様、ファミーリエ様、駒の時間様、ヒカリゲームズ様、いかが屋の皆さま、大阪さん、ありささんを含めguild様でお会いした多勢の方々…etc.etc。今回も本当にありがとうございました。お会いできて本当に嬉しかったです。
今回ご挨拶が叶わなかった多くの方とも、また是非(近いうちですとゲームマーケット大阪?)お会い致しましょう。












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