2020年6月7日日曜日

踏み出す一歩と「失敗」 僕が叱責を避ける理由

少々暗い話から綴ることを了承願いたい。

 僕の人生はこれまで本当に「怒られてばかり」だった。
 親に、先生に、クラスメートに、上司に、部下に、と、範囲は多岐に及ぶ。試験問題を間違えては、書類をミスしては、道順を間違えては、etc…失敗し反省する以上に「相手から」キツく叱責された。何かを行動するに従い、必ずと言っていいほど周りから「迷惑をかけた」とガミガミ怒られる、その繰り返しだった。
 いつからか僕は、怒られる最中に「どうして僕は怒られているのか」「失敗し悲しいのは、怒っている「そちら側」ではなく「僕自身」だというのに」ばかりを考えるようになった。

 失敗することは確かに周囲への迷惑を伴う。
 周囲への未配慮は広範囲に及び、時として、次への足掛かりを大きく削られるほどのダメージに膨らむ場合もある。
 周りへの配慮が足りず、自分以外の「誰か」も気分を害されることがあるだろう。

 それでも僕は「自分以上に相手を叱責する側の気持ち」に寄り添うことがどうしてもできなかった。
 良きにせよ悪きにせよ、行動した結果、その身で学んだ何かしらの結果が生まれたのであれば、それで十分ではないか。

 叱責といえば、昨年くらいから、僕が一人で好きに振る舞う「番次郎書店」の運営方針を変えることにした。
 そのモットーは「打席に立てる幸せ」だ。
 ボードゲームに触れた当初の気持ちを、出展側に立つなんて想像すらできなかった時の、あの「ブースの向こうの相手が神様に見えた」あの時の感動を忘れないようにしよう、そう心に誓った。
 それと同時に「同じことを惰性で繰り返す」行為は極力取り払うことにした。
 もっと具体的には
「出展する際は、必ず何かしらの新刊・グッズを用意しよう」
「最新刊が常に最高傑作となれるよう、全身全霊をかけて創作に取り組もう」
 そんな「挑戦心」溢れる気持ちで各種イベントへと参加し、本を用意し、チラシを作り、暑い日には冷たいおしぼりなどを配って回った。
 成果はどうあれ、結果、こうして現在まで諸活動を続けることができた。

 できなかったこと、至らなかったことなど、イベントの時々で反省するべき材料はたくさん産まれる。助言も、時に厳しい意見をも、いただくことも多かった。
 けれど、何より今の制作環境は「失敗を直接叱責する相手が存在しない」、それだけで本当に幸せに感じるのだ。

 どうして僕がこうまで「叱責」を避けるのか。
 それは叱責の目的が「相手の気持ちを沈ませる」ことにも派生するからだ。

 「反省を促す」と大義名分を打ち立て、これがダメあれはこうしろなど「相手のことを思う」があまりの各種アドバイスが、次第に「自分の主義主張を相手に通したい」ややもすれば「相手の反省する絵姿を確認したい(=気持ちを沈ませる)」ことへとすり替わる場面がまれに生じうるからだ。
 そうなると、せっかくのアドバイスも「言霊を用いての操作」へとすり替わる。
 作家の京極夏彦先生も著書「地獄の楽しみ方 17歳の特別教室」の中で「言霊は、心以外には効きませんが、心にだけは効くんですよ」と語っている。

 
 挫かれ、沈んだままの精神では本当に何も生まれない。
 落ち込んだ気持ちの相手に必要な助言は、的を射たアドバイスではなく「まずは浮上できるまでの休息」だ。
 執拗に(時に自分から)ダメージを受けた結果、そこでバタリと倒れてしまったままでは、次に向けて反省、挑戦する行為そのものを躊躇することに繋がってしまう。

 挑戦、すなわち「次の一歩を踏み出す」ことで、そこから新たな「選択」が生まれる。
 このまま進むも、別の道を探求するも、まずは「挑戦」の種を育むことに傾注しなければならない。

 何がとはいえないけれど、今週、僕は叱責されてもしょうがないほど無茶な行為をしでかした。
 それでも周囲は笑って受け答えし、僕も笑顔を作りながら「次はこうしよう」「次はもっとこうしたい」と前向きな気持ちで反省することができた。
 叱責され、萎縮しなかった、それだけでこうも軽く自分の気持ちや反省を受け入れられることに心底幸せを感じながら、僕はまた小冊子の執筆作業へと向かうことにした。
 
 まとまりのない気持ちを解きほぐすことは難しいけれど、この失敗から生まれた新たな息吹が、次にお会いできた時、また一周り大きく成長できた姿として認められますよう、これからも小さな当ブースを温かく見守っていただけたら嬉しいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

目に見えない精神の話

 7月12日(月) レイアウトに少しずつ手をかけることにした。 ノートに書いて、パソコンの画面に落とし、画面を調整する繰り返しだ。目に見える形にすると、抜けた部分が見えてくる。 その中で気がついたことがある。 世界樹の迷宮という私の好きなRPGがある。 その隠しダンジョンの話だ。...