2020年3月21日土曜日

肌身で感じた「強さ」 3週間の旅を終えて

新型コロナウイルスの影響は想像を遥かに超えるものだった。
ゲームマーケット大阪を含む多数の大規模イベントが自粛となり、開催を決行したイベントも、その客足は大きく落ち込みを見せるなど、全国各地の制作者、主催者、ボードゲームカフェ、等々、悲痛な叫びが上がった。
Twitterのタイムラインでも日々落胆の声が流れる。


そんな中、今回惜しくも頒布できなかった各作品を、通信販売等を利用し頒布しようと、またYouTube配信塔を活用し「独自の動画等で紹介します」と、そんな暖かい支援の声もあちこちで上がった。

「(こんなご時世だからこそ)ともに頑張りましょう!」

何事にも感化されやすい僕は、そんな心の声すらも敏感に察知した。
「下っ端のいちサークルながら、僕にも、何かの形で周りにご支援ができないか」
いつからか僕は、そんな取り止めのない問題で頭をもたげた。


2月中頃、大阪への宿泊予約を取り持つ旅行会社から「3日前までキャンセル料を無料とします」といった旨のメールが届いた。
そのまま返送すれば、文字通り、何もかもが「白紙」へと帰る。
白紙になるくらいなら、現地に行き、お店の方に御挨拶をしよう、「頑張りましょう!」の声とともに、少しばかりのお金を落としに行こう。
僕の決意は固まり、大阪遠征を続行するどころか、気がつけば、九州、名古屋も加え、全国各地へあれよあれよと旅程を立てるに至った。

無論、僕自身が病魔に倒れてしまっては本末転倒だ。体調管理だけは細心の注意を払うことにした。
決して無理をせず、僕が動ける範疇のこと「だけ」を。


2月28日に開催された埼玉県北越谷ZEST様の「エアゲムマ」を皮切りとし、僕は大阪、京都、兵庫、福岡、長崎、愛知、三重、千葉、……3週間ほど「ご挨拶」という形の応援に飛び回った。

行く先々でボードゲームのクイズを広げ、お話をし、卓を囲み、ご興味があればと新刊小冊子をお渡しに奔走した。


お店の中は、どの場所も、こちらが拍子抜けするほど明るい雰囲気だった。
店員さんはお客さんが少ないことを半ば自嘲気味に笑い、そして時折眼光鋭く「頑張りましょう!」と肩を叩きながら、迎えた状況にもめげることなく真摯に向き合い、少しずつ、少しずつ、前を向く、そんな力強さを肌身で感じることができた。


そして僕自身にも
「今度クイズ会をやりましょう!」
「YouTube配信なんてどうですか?」
「次の新刊はこの路線で!」
など励ましの声をかけてくれた。

僕はゲームマーケット出展が今年でやっと4年目となる、一般のサークルに過ぎない。
まして頒布している作品はボードゲームそのものではなく「ボードゲームに関するクイズ本」である。
売り上げもさることながら、大手を振って「頑張りましょう!」と主張できる立場にあらず。
そんな無名の僕にも手を取り、応援とともに励ましの声をかけてくれた。
僕はそれを聞くたびに、うっすらと涙をにじませた。
励ましのつもりが励まされてどうする、自分。


明日の動向すら刻一刻と変化する、未だ予断を許さない混沌とした状況の中、僕は旅先からの帰途で「僕は僕の感じたままに、今の現状を受け入れよう」と心に誓った。
不安、絶望、といったマイナスな面だけではなく、それら苦悩を迎えた先に、それでもなお、胸の内からふつふつとたぎる強い活力。
実際にこの目で見た「ありのまま」を、飲み干し、体内に取り入れ、そしてゆっくりと時間をかけて自分の言葉へと昇華する。
そう考えるうちに、気がつけば3週間にもわたる旅程は実にあっという間に過ぎ去っていった。

百聞は一見に如かず
百見は一考に如かず
百考は一行に如かず
百行は一果に如かず

中国・漢代のことわざだ。

今回の旅を通じ、現実を見ることの大切さ、そして何より、笑顔を提供される方一人一人の秘めたる真の優しさ、強さといった諸々を、肌身を通じ実感することができた。
学んだことは多かったけれど、今の僕の語彙量では、上手い言葉に乗せて表現するにはまだまだ時間がかかる。

想いを活字にまとめる作業に苦心しながら、僕はこれからもそんな情熱を持つ方々をこれからも応援しようと誓った。
焦ることなくゆっくりと気持ちを熟成させ、少しずつ活字として、作品として、想いを形にし、相手に届けることを続けよう。

僕にだって何かできることがある。

これから先も、各地で、応援の声を届けに回れたらと願う。

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