2019年6月26日水曜日

また、会いに行きます ー関西プチ旅行記 備忘録ー

久しぶりの高速バスに浮かれていた僕を諭すかのように、ツイート上にはつらつらと注意喚起のリプライが並べられた。
スリッパ、耳栓、アイマスク、本、首枕、メンターム…などの快適睡眠グッズをぎゅうぎゅうに詰め、僕は22時30分発ユニバーサルスタジオジャパン行きの高速バスに乗り込んだ。

今回の旅は「日曜日に大阪のボードゲーム ショップGuild様で開催される「クリエイター交流会」に参加すること。
とは言いつつも、要は1ヶ月ほど遅れた「ゲームマーケット慰安旅行」のようなものだ。








22日土曜日、朝7時40分 大阪駅バスターミナル到着。
前日に目にした天気予報がフェイクだったかのような、早朝から汗ばむ天候に見舞われる。

目に止まったうどん屋へ入り腹ごしらえ。

朝食うどんセット400円也。
暖かく、柔らかく、甘いおあげの乗った、関西のうどん。
この後、この関西のうどんの美味しさに魅了され、2泊3日の行程で4食ものうどんを口にする。
思えば前回の名古屋といい、僕は旅に出る毎に、ご当地の麺ばかりを食べている気がする。

電車を乗り継ぎ、一路、兵庫県加古川へ。
前回のゲームマーケット大阪でもお世話になった「駒の時間」のkomaさん、Tokiさんにお礼へ伺うことが目的だ。

ペイントスペースで初めてのペイントに挑戦する。
前日に「塗らない駒を脳内で補完する楽しみ」といったネタで4コマを描いた僕、多少のためらいもあるにはあったが、愛着のある駒を塗る時間は心が無になるからか、ひたすらフィギアの塗装に没頭する。


出来上がり。
集中力の持続しない僕は細やかな部分がうまくいかない。
それでもKoma様のサポートもあり、一方(写真右)はとても見栄えのするフィギュアが完成した。

数名のお客様が来店されたので、手持ちのゲームを広げる。
ここでもワードスナイパーやぎゅうぎゅうゴースト、台湾スナックバーなどの、パーティ向けでワイワイ楽しめる作品が好評を博した。

KomaさんもTokiさんも、ラミィキューブ全国大会等が差し迫る多忙な中で「駒の時間」を運営し、さらには私のような客人を温かくもてなしていただいた。
地方紙やネットニュースなどメディア各社で紹介されるなど、今やその名は関東はおろか全国各地へと轟くほどである。

出し惜しみすることなく紹介された国内外のボードゲームには、必ずお二方の笑顔が付加される。
「ボードゲームってコミュニケーションなんだなぁ」と、しばし感慨にふけったひと時であった。

夕刻となり、名残惜しくもお店を後にする。
慌てて飛び出したような旅路、この日の宿をなんとか姫路で見つけることができた僕は、疲れも相まってすぐさま深い眠りに落ちてしまった。


翌朝
案の定寝坊を決めた僕は、大阪へ向かう快速になんとか飛び乗り、一路大阪へ。
G20開催を控えた関西近隣は、コインロッカーや自販機備え付けのゴミ箱にも「使用禁止」の札が貼られるなど厳戒態勢が敷かれていた。

13時から始まるギルド様の交流会前に、少しだけ店舗を回ることにした。

昭和町のデザート*スプーン様へ。
前回大阪の際も少しお邪魔したこのお店では、有名クイズ王も度々足を運ぶなど、クイズに関するイベントが定期的に行われている。

店長の加藤さんと、しばしの間、自分たちでできること、これから望むこと、などを話し合った。

「頑張る人には、何かしらの報酬があって然るべし」
そう願ってやまない(言うなれば、幼い考え方を持つ)僕は、終始「僕のような人間でも何か応援できることはないか。」「単純に「お金」というと嫌う方もいらっしゃるけれど、お金で元気になるならば、それはきっと有用な使い方かもしれない」などと考えあぐねた。

時間を惜しみつつ、もう一軒、日本橋のキウイゲームズ様へ。

所狭しと並べられたボードゲームと、隣接されたプレイスペースにしばし圧倒される。
こちらでは現在となっては入手困難となった海外版の支離滅裂を購入。


ギリギリの時間の中、谷町四丁目のボードゲームショップ「ギルド」様へと向かう。


関西近隣の有名ボードゲームデザイナーが一堂に会した本イベント。
全体を取り仕切る「いかラジ」のいかさん、妄想ゲームズのHIROさんら、その他にも関西を代表するボードゲームクリエイターの面々が揃い踏みしている。

あまりの豪華顔ぶれに、そもそも「ボードゲームなど作ってもいない」僕は気後れしてしまう。
そんな一人うろたえる僕をよそに、会は予定通りに進行される。


まずは各グループに分かれ、イラストからボードゲームを制作するグループワークを体験する。

僕のチームの課題は、白と黒が明確化された独特のイラストが特徴的な作品。
イラストから連想を広げ、ゲームの内容を膨らませるという試みは、難しいかとおもいきや意外と進み始めると意外と良い方向に進み、時間いっぱいまで白熱した論議が展開される。
最終的に「カゲロウ Kage-Row」など、それらしきタイトルまで名付けられた。

各グループの発表へ。
協力ゲームあり、正体隠匿あり、メルヘンから学園モノまで、アートの世界をうまく表現した作品が次々に並ぶ。
とてもこの短時間で考えられたとは思えないほどのクオリティの高さに、一堂が驚愕する。
クリエイトする側も、やっぱりボードゲームで遊ぶことが好きなのだ、と、好きでなければできないのだ、と、改めて考えたのだった。

その後はフリータイムへ。
ウッドバーニング作家のノスゲム氏が手がけた作品は一際目を引く。


特徴的だったのは、すでに各製作者が完成品に近い「モック」を持参していたことだ。
各ルールやアートワークがあらかた煮詰まり、最終的なテストプレイの段階にまで仕上げた作品を持ち寄っていた。
その上、どの作品も面白さや魅力が様々で、次回ゲームマーケット秋での頒布を目指しているとはいうものの、もっと早い段階での製品化も可能ではないかなどと画策した。
何より、次回秋の展望など何も手についていなかった私は、肩身の狭い思いをしつつひたすらコーヒーを煽っていた。


夕食後、全体ゲームへ
「数字でダービー!!」と称される全体ゲームが披露される。
ルールはいたって簡単で、数を記載すればそのまま得点が獲得されるが、最小獲得ポイントと11以上の差が開いたプレイヤーは全てドボンとなる。
少し調べたところ「マネージャガ」というタイトルで、すごろくや著「大人が楽しむ紙ペンゲーム」や、メビウス25周年ゲーム大会などでも披露されたゲームのようだ
<リンク先:マネージャガ>
http://fuwa.o.oo7.jp/game/party/manager/maneJAGA.htm

大きければ良い、でもなく、また小さければ稼げない、などのジレンマを味わいながら、何度もドボンを喰らってしまった我々(万屋楽団サンジョウバさん、いかが屋おたまさん)のチームは見事にブービーを獲得したのだった。

大変好評を博したこのイベント。会の最後をいかさんの言葉が締める。
「次回も行っていいですか?」
大きな歓声が上がる。僕も思わず誰よりも大きな声で賛同の声を上げた。


20時、ギルド様を後にする。

この日はゲームNOWAのかぶけんこと「かぶきけんいち」さんがご自宅に招いてくださるとのことで、お言葉に甘えることにする。

途中のつけ麺屋「いろは」で、カレーつけ麺をいただく。
本当に関西では粉物ばかり口にしている印象がある。

ご自宅で、かぶけんさんの次回作をテストプレイしたり、今後のイベントについて話をしたり、など、夜更けまで時間を共有した。


翌朝。
かぶけんさんとの話が尽きない中、兵庫県のボードゲームのお店「シャッツィ」様へお邪魔する。





こちらにお邪魔するのは2年ぶり二度目だ。

<リンク先 番次郎の盤上万歳!! 2017年 2017年7月 関西を旅して気づいた「ボードゲームを形成するもの」とは。>
http://hibikre.blogspot.com/2017/07/blog-post_17.html

2年前とほぼ変わらぬ閑静な佇まい、しかしながらラインナップはいつ見ていても飽きの来ないラインナップ。
清潔感あふれる店内を、店長のキャロル様と、看板犬のジーニーちゃんが愛想よく出迎える。
知的でユーモアのある方とのおしゃべりは本当に尽きない。つい時間を忘れて話し込んでしまった。



「ブレーキングアウェイ」などのボードゲームを購入し、次の目的地へ
心斎橋の「ビー玉と空」様で開催されている「モノ・アイ展」へ。

こちらでは「ダブルナイン」などのイラストを手がける「プラネ」先生が呼びかけた、単眼のキャラクターを中心とした作品の展示展だ。

店主のゆうろさん自身も、実は昼夢堂のflat氏と親交があり、ボードゲームにも大変興味を示されていた。

ならばと思い、手持ちの「ワードスナイパーイマジン」をプレゼントする。
小さなパッケージの裏に、簡単なルールが4コマで掲載され、あまつさえ動画のQRコードが付記されている点などデザイン、システムのユーザーアビリティの高さに着目されていた。
デザイン、アートを手がけられる(同人誌なども執筆されているとのこと)方はそうした細やかな点にも着目するのか、としばし感服した。


帰る時間を気にしつつ、八尾のINST様でもう一ゲームだけ遊ぶことにする。

入口で身支度をを整えていると、こちらの顔を覚えていたらしき店長のてっちさんは、笑顔で中に招き入れてくださった。
偶然遭遇したかぶけんさんらも交え、クイズやトランプなどを少しだけプレイする。
温かい雰囲気が迎える店内は、しばし時間を忘れる。


21時、大阪バスターミナル出発。

帰りのバスの中、僕はまたいつもの旅情にひたっているかと思いきや、気持ちは軽く、明るく、不思議と笑顔を浮かべていた。

「次にまた会えますから」
思えば今回の道中で、多くの方にそう話しかけていたように感じる。

次があることの安心感。
それは同時に「今際の別れ」ではないことの安心感でもある。

次にまた会える
その確証があるならば、その時にまた、伝えきれなかったこと、できなかったことを、共有すればいい。
だからここでは、楽しいことを最大限でなくてもいい。腹八分目で満足できたらいい。お腹が空いた頃に、また会いに行けたらいい。

僕自身は、遅くとも次回9月、三宮で開催されるボードゲームフリーマーケットに、(たとえ出展側として申請できなくとも)参加を考えている。
だから出会いは「これっきり」ではない。必ず「次」がある。
次があるからこそ、お互いの気持ちに、ふんわりとした余裕が生まれるのだ。

「会いたい人に、いつでも会える。」
ゲームカフェ、定期ゲーム会、ひいてはゲームマーケット等も含めた各地のイベントが、「そこに行けば、会いたい人に、いつでも会える」
そんな場所となれたならば嬉しい。

多分、そこでも僕は変わらず、ボードゲームのクイズを読んでいるのでしょうけれど、ね。


帰りの旅路で、誰とも言わずそう約束しながら、バスは一路、横浜のバスターミナルへと向かった。

喧騒の街闇を、静かにバスが走り去っていった。









2019年6月15日土曜日

考えるって面白い!〜私の目指す「名脇役」の存在〜

私の中の傑作ボードゲーム「あてっこついたて」が、この春「ATEKKO(アテッコ)」というタイトルでリメイクされた。
豪華なコンポーネントにユーモラスなデザイン、これらが3000円を下回る価格で比較的容易に入手できることは本当に嬉しい。

この「ATEKKO」という作品、最初に断っておくと、やはり「一緒に遊ぶ面々で」面白さは少し左右される。
単に勝利しようとするならば、まずお題に対し難解な解答を書くこと(自分に自分の解答は回ってこない)、「パン」というテーマなら「明太子フランス」や「乾パン」、「寿司ネタ」なら「とびっこ」や「うなぎ」あたりだろうか。
そして質問も「ひらがな3文字ですか?」「赤いですか?」といった、言うなれば調書を取る形で徐々に絞り込めば、意外と目指すべき推理の方向性が見えてくる。
しかるに、このゲームの面白さは左にあらず。
単純明快なお題+ひとひねり加えたお題を提供し、回答結果で概略がおぼろげにつかめるような「面白い質問」がひねり出せたならば、俄然その場は盛り上がる。
「そのパンは食べることで主食となりますか?」「回転寿司では安い方の皿に乗っていますか?」
「質問力、問われます」この作品のリードコピーが意味するところを、私はそう捉えている。

同じくゲームマーケット春に、リゴレからワードスナイパーの新作「イマジン」が登場した。
「想像力」をテーマとする本作は、お題となる内容も「10分でできること」「東京ドームより広い場所」などの、知識とは一線を画した「イメージ」で回答する作品に仕上がっている。
基本のルールは早い者勝ちであるので、勝敗を意識するならば語彙量の豊富なプレイヤーが跋扈する印象がある、
かと思いきや、こちらも初めての方とプレイする際に、思わず周囲も「深イイ」を連発するほどの名回答が続出する。
「「や」のつく「燃えるもの」→「野望!」
「「け」のつく「生きていく上で必要なもの」→「経験!」
etc…。


私は自分の好きな作品を、自分だけではなく周囲に布教したいと考える少々「お節介焼き」な人間だ。
その為には「私自身がバイプレイヤー(名脇役)となること」が何よりも大切ではないか、という結論に至った。

上記に挙げた作品に限らず、すべてのボードゲームにおいて、私はさほど勝敗を意識してはいない。
強いて挙げるならば「その場の盛り上がり」を強く意識している。
こう記述すると一部から「勝敗があってこそのボードゲームではないか」と反論が上がるかもしれない。
一家言加える前に聞いてほしい。
私は考えることが大好きだ。
何か周りに面白いことはないか、自分で何か面白いことはできないか、そんなことばかり考えながら日々を過ごしている。

拙著「Analog Game GAME アナログゲームのなぞなぞブック」や「ボードゲームクイズ」を執筆した際、常に念頭に置いた言葉がある。


拙著「AnalogGameGAME」あとがきより


「考えるって、面白い」

慌ただしく過ぎる日々の生活で、ふと立ち止まり周囲を見渡すと、実は日常にひっそりと潜んでいた、よくよく考えると不可解なもの、出来事、現象。
空気は透明なのに何故空の色は青いのか、鏡が何故左右反対に見えるのか、お風呂に入ると何故気持ち良いのか、等々。考え始めるとそれこそキリがない。
そんな疑問の数々を、何故そのまま放置してしまったのか。
それはおそらく我々現代人が、生きることで必死となり、あるいは忙しさにかまけ、無意識の中でそれら疑問を背景と同化させ「考えてしまうと余計な労力となるから」と、敢えて我が視界の見えざる位置へと遠ざけてしまったからではないだろうか。

「考えるって、面白い」
スタピー、と聞けば「スタートプレイヤー」の略を思い浮かべ、スリーブをかける、といえばカードを保護するフィルムを装着させる姿が安易に想像できる。
今でこそ「ボードゲームで遊んでいる人なら知ってて当然」とされる言葉ひとつ取っても、ふと立ち止まって考えると、やはり側から見ると少し不思議な用語が飛び交っていることに気づかされる。
スリーブの語源は、洋服の腕を包んだり隠したりする部分を意味する言葉で日本語の「袖」に該当する。袖のない衣装をノースリーブ(no  sleeve、ちなみに和製英語) というが正にそれだ。「包む、隠す」という意味合いから、カードを保護する「スリーブ」の意味に派生したと考えられる。
ボードゲームであれ、クイズであれ、さらには勉強と呼ばれる諸活動ひとつひとつを取り上げても、先のような「発見」ができることに私は至上の喜びを感じ、ボードゲームプレイ中もその辺りを意識つつ、決して相手を過度に盛り立てることなくプレイするよう心がけている。

このブログでも何度か綴ったが、ボードゲームは一人ではプレイできない。
だからこそ、一緒に卓を囲む相手には「面白かった!」と感じて欲しい。
だから私は、強すぎず弱すぎず「一緒に遊んで面白い人」になること。
その為には「この人と遊ぶと、何か面白い発見がある!」と感じてもらえるような、そんなプレイヤーを目指す。
それが次にご一緒する際の見えない引き金となり、ひいては私が抜けた後でも、それら作品に興味を持つ発端となった先の「ボードゲームの面白さ」に繋がるのではないか。
その一端を私との卓で発掘できたならば、これに勝る喜びはない。

その為にも、私自身がエンターテイメントを一から学び、どんな方からも「また遊んでください!」と乞い乞われるような、私はそんなバイプレイヤーを目指し、日々研鑽していきたいと思っている。

ボードゲームって、考えるって、面白いよ!

2019年6月8日土曜日

自分の姿を探すためー名古屋の旅で考えた由無し事ー

ボードゲーム会に持ち込む作品は、自分の遊びたいものばかりをチョイスするのではなく、現在の流行や、滞在時間、会全体でプレイされている作品を事前に予習した上で、全体の流れから勘案し、厳選して持ち込むようにしている。
本当に遊びたい作品はまた別の機会に、と。
たとえ個人的には絶賛する作品であっても、周囲の状況を鑑み、やむなくリストから外される、
そんな作品も多い。

そんなことを考えるうちに、いつの頃からか、私はボードゲーム会に「自作のボードゲームクイズ」と「早押しボタン」を持ち込むことをやめていた。



先日、名古屋へと足を運んだ。
ゲームマーケットの締め切りに追われ、制作中はなかなかご挨拶のできなかった方へ、小冊子を届けに上がることが主たる目的だ。

諸所のトラブルに見舞われながら、無事に名古屋へと到着。
今回のゲームマーケットで素敵なビーズのペンダントを作成していただいた「あいこん屋」の「たま様」と合流する。

ボードゲームは始めたばかり、でも、ゲームマーケット自体には関心があるらしく、気になる作品を伺ったところ、幻影探偵団、CMYK!などの話題作を答えてくれた。

たま様と合流し、その足でゲームストア・バネストへと向かう。

店長の中野さんはこの日もTシャツ姿で動き回っており、所狭しと並べられた国内外のボードゲームに囲まれた空間で、中野さんの活気ある声が飛び交っていた。
「宝の山ですね」と語るたま様だったが、おそらく興味のない方からすれば「おもちゃの延長線上」にしか映らないことだろう。
宝の山や、中野店長に差す後光などが見える由縁も、ひとえにその人が持つ知性と興味とが織り成せる技だ。

しばらくすると、ポッドキャスト「今夜もアナログゲームナイト」メインMCの太陽皇子、アシスタントのプーさんらが来店される。
御二方ともバネストには大変親交のある方々だ。

ポッドキャスト内では、特に皇子の巧みなインタビューが印象に強く、その際の何かコツのようなものをお聞きしたかったのだ。
皇子曰く、事前に台本を用意し、聞いて欲しいこと、ここはカットするところ、などを綿密に調整するとのこと。
自分の聞きたい事項を、その場の思いつきでポンポンと投げかけるようでは、それはインタビューではなく「尋問」になってしまう。
「相手への気遣い・心遣い」、それこそが皇子の番組が多くのリスナーに長く親しまれる所以なのかなと感じとれた。

たま様と別れ、皇子が主催するボードゲーム会「アナログゲームギークバー」へと向かう。

会場となるピアノバー「アドリアーノ」は、平日夜の時間帯ながら県内外を問わず多くの参加者が集い、各々が「ボードゲームが好き」、「遊ぶこと、ともに卓を囲むことが何よりも好物」というベクトルに沿う形でひしめき合った。

各テーブルに分かれ、私は前々から興味のあった「モザイク」という作品をプレイする。
タイル生産で有名な岐阜県多治見市のボードゲーム製作者が、地元のタイルを活かした作品を、という願いで作成された作品だ。




(写真はモザイク・クオも含めた4人対戦)

囲碁とパズルを合わせたような、実力勝負の中で意図せず爆発的な連鎖が発生し、都度、逆転劇が繰り広げられる。
特に今回はチーム戦ということもあり、自分だけではなく、相手への絶妙なパスワークも必要とされる。
見た目の鮮やかさと造形美からは想像もつかないほどの不思議な作品に、思わず魅了された。

第二部
好きな作品を、ということだったので、恥ずかしながらも自作のクイズセットを取り出す。
愛好される方、ボタンを押してみたかったという方数名で、クイズの卓が催されることに。

ゲームマーケット以来の問題読みで幾らかの失敗はあったものの、無事に収集がつき、自分の満足する形でゲームを終えることができた。
その場を取り払うかのように次の作品へと移行する。
やはりいざという時に自分の作品を大手を振って紹介するほどの、今風の言葉で「高い自己肯定感」なんて、とても湧くものではない。


名古屋の旅を終えた私は、帰りの新幹線に揺られつつ、またいつもの作業へと移行することにした。
前回のブログで「休みを入れる」と綴った舌の根も乾かぬうちに、この体たらくぶりである。

暗闇だけが過ぎ去る車窓をぼんやり眺めつつ、自分が「読まれるかどうかもわからない小冊子」をどうしてここまで制作してきたのか、その理由について、改めて考えることにした。

大枚をはたいて出展し、制作を続ける意味ってなんだ?
自分が好きだから、という曖昧な動機でも、儲かるから、といった目に見える動機でも、そのどちらでもない。

おそらく自分の中の根源は、もっともーっと単純で
「制作しました」→「読みました」
そんなコールアンドレスポンスを受け取ることができたからこそ、ここまで心身ともに継続できたのではないか。
頑張っただけではなく、その証として、少なからず反応がある。
良かれ悪かれ、何かしらの反応があるからこそ、反省が生まれ、また次へのモチベーションが醸成される。制作し、当日にそれなりの売上を見せ、ハイ次、だなんて、それは何だかすごくもったいない気がするのだ。
綺麗事かもしれないけれど、私の中でゲームマーケットはあくまで区切りの一つであり、当日いらっしゃらなかった方、入手を逃した方などに向け、広報活動はこれから先も続くものと考えている。

だからこそ、応援していただいた方、自分が応援したい方に、自分の表現しうる現時点での最高傑作を、自らの足でお届けにあがりたい。
そこで上がったレスポンス、感想やアンケートの評価といった目に見えるもの、もしくは、直接お会いした際にかけられる何気ない「いつも読んでます」の一言が、実は自分にとって恐ろしいほどのモチベーションに繋がっていたのではないか。
今はそんな気持ちで溢れている。


次は2週間後の大阪。「いかが屋」様が主催する「クリエイターズ交流会」、それが終わると、7月の北海道ボドゲ博まで一直線だ。
交流会の中では、主催者の意向で「肩書き」を作るように宿題が課せられている。
何でも良い、自分を表す何かしらの文言をつけるように、とのことだ。

私の肩書きって、なんだっけ。
「ボードゲームのクイズ制作」
少し前までの自分ならば、自他ともに認めるそんな肩書きがつけられたかと思う。
制作をガラリと転換させた昨年末から数え、早半年が経過した。
ブログを出版し、なぞなぞを作り、あまつさえ4コマ漫画を描くなど、クイズ以外にもあれこれそれと手を出した自分の姿は、少なくとも半年前の自分は想像すらできなかったに違いない。

有り体な例え話だが、「目」は常に正面を向くように造られている。
鏡でも使わない限り、自分で自分の姿を目視することはできない。
自分の姿を確認するためには、己を向く他者の目が必要となり、それらは何かしらの交流を通じることでのみ培われるのだ。

だから私は、ボードゲームと同じく、相手との対話を何よりも大切にしたいと思うし、それこそ応援してくださる方に対しては、居丈高になることなく、できうる限りのおもてなしを持って返したい。
先に挙げた「コールアンドレスポンス」の土壌を、自ら動きやすい形で整えるのだ。

そして生まれる「対話」を通じ、今の自分が、何を見て、何を考え、相手に何を提供でき、そして相手から何を受け取れるのか。
それらをすくいあげ、こし取り、バラバラとなった破片をパズルのようにつなげる中で、うっすらと垣間見える「自分の姿」。

それこそが作品を綴る中で、自分が最も大切にしたかったことだったのか、そして、これまで小冊子を綴ることができたモチベーションの最たる所以だったのかな、と、今回の名古屋の旅を終える中で、そう結論づけた。


バネストでは9月14日(土)に20周年記念ゲーム会が開催される予定だ。
私もいつか何かしらの形で、バネスト様を表現する役割の一端が担えたら、と、心から願う。











笑われて、笑われて

 5月から心機一転開始した日々の4コマが、今日で150話、2年間ちょっとに及ぶ過去の連載文を含めると794話と、800話も目前となった。 今度の4コマも無事に2巻目の入稿を済ませ、次回イベントで1,2巻も含めた初めての頒布となる。 日々苦しい執筆だった。 心に響くしんみりとした言...