2019年3月13日水曜日

出る杭は打たれ、伸びるー私の関西遠征記 二日目ー

AM3:55
いつものように眠れぬ朝。

昨日までは「夢」だった。
今日を境に「現実」へと変わる。
だから、期待も不安もない交ぜに、緊張するのだろう。自然と目も覚めるもの。

少ない携帯のバッテリーを頼りにインテックス大阪へと向かう。
この日もやはり朝からポツポツと雨がぱらつく、あいにくの天候。

朝7時半、すでに多くのお客様が列を成しており、名古屋でもお世話になった山路さん親子ら、関西ではその名を知らぬ有名人がすでに揃い踏みしている。

スーツケースにパンパンに詰め込んだ荷物には、相変わらず修正用のテープを同梱させた。
いつになっても、新刊の誤植・誤表記は無くならない。見れば見るだけ「アラ」が出てくる。
カバンに詰めた数だけの不安を抱えながら、午前8時、設営開始の時刻である。

前回の北海道ボドゲ博0.5にて、全体の流れ、動きなどが概ね頭の中で形になっていたからか、次はこう、次、次、と積極的に動くこと、これも一つの成長なのかもしれない。



全体の設営はものの30分で終了。
告知ツイートを流し、修正版を用意する。

ふと、会場アナウンスにて
「会場まで残り10分となりました、出展者の方は〜〜」

時計を確認するとAM8:50
即座に訂正のアナウンスが入る。

高揚し気の緩んだ脳内に「ピリッ」とした刺激が走る。
油断してはならない。
いつでも対処できるよう、常に態勢を整えるべし、と、自分に言い聞かせる。

AM10:00、(真の)開場。
私個人のブースは、客足はスローペース。
当然だ。何せ「ボードゲームになぞなぞ」というチャレンジャブルな本である。中身を確認することなく「面白さ」を体感できるはずがない。

衣装も何振り構わずコスプレなどをやってみた。
かっこいいなんて言葉は度外視。
「まあなんとかなるさ」会場内に流れる独特の雰囲気に自分から溶け込んでみることにした。

ゲームマーケットはお祭りと称される。
考えるに、お祭りにいか焼きやりんご飴を求めて向かうお客さんは少ないはずだ。
お祭りの目当ては、神輿であり、盆踊りであり、花火といった「全体の雰囲気」を楽しむ場だ。
そこには何か「儲け」といったものではなく、来場者も含めた全体・全員で雰囲気を盛り上げるもの。
私個人の作品ならば、楽しみにしてくださった方全員に無料で配布することもやぶさかではない。
しかしながら、次の作品を輩出するためには印刷代も含めた若干の黒字を出さなければ続かない。
無料頒布こそできないものの、価格は原価ギリギリで考慮した。

会場当初、多くのお客さんが流れる中、私のブースの出足はそう多くはない。
時折手に取ってくださった方が、中身を見て購入し「帰って読みます!」と声をかけてくださる。
この流れは、今まで私個人が経験した各種イベントと同様だ。

大阪はどうだったか。
声を上げれば立ち止まってくれる。
見た目も鮮やかな早押しボタンにも目を止めてくれる。
ボタンを押し、ガチャを回し、面白そうな見た目の作品に興味を示してくれる。

ワンオペ、ブースに一人の態勢という厳しさも味わった。
大きな問題として、休憩時間がないこと。
トイレ、買い物、飲み物等の補充、ご挨拶回り・・・
人の力を思い知らされた。
もちろん今回「人手が欲しいなら」と手を上げてくださった方がいらっしゃった。
その方のご厚意に甘え、1時間だけブースを任せることができたこと、この場を借りて感謝致します。
人を集める行為も、企業・一般問わず、まずは人徳があってこそ。
良い雰囲気のブースには、主催に相応の人徳があるから成り立つのだと学び取った。

さて、私自身の作品の話をしたい。
ブース運営の醍醐味は「相手とのやりとり」だ。
先に挙げたように、面白そうなものに興味を示してくれる大阪の方。

「本をください」
「500円です。割り箸はおつけしますか?」
「え?!」

突如、なんら関係のないような割り箸という言葉にキョトンとする相手。大成功!
今回の割り箸は「おてもと(手元で使う割り箸の意味)」と「(本を)お手元にどうぞ」をかけたシャレだったのだ。
こうした冗談も笑ってくれる関西ならではの雰囲気が大好きだ。

何度か話したかもしれないが、ゲームマーケットは一人一人の力でお祭りを盛り上げてこそのイベントである。
だから何よりも自分が率先してゲームマーケットを楽しもうと決めた。
たとえ自己満足であろうとも、一番楽しんだ人物が何より私自身でありたい。
だから、楽しむための努力は惜しまない。
ボードゲームを売らず、カッコ良くもなく、カリスマ性も人気も何もない単に歳をとっただけの自分であろうとも、何かしらの形でこのお祭りを盛り上げることくらいなら、できるはずだ。


人の波は途絶えることを知らず、交代の時間いっぱいまでブースにつきっきりの状態だった。
短い時間で予約していた作品を回収に回る。ブースに人が不在で買い物のタイミングを逃した作品は、やむなく諦めて次へ、次へ、と回った。
ツイッターを開くと軒並み完売の報告が並ぶ。
ワードミノ、one card of the dead、メイドマフィア、じっくりミレー、サワロー、ヤバイかヤバイカ、きいろいろ、等々、事前の人気作、話題作は軒並み1時間と経たずに完売だった様子。
今回も広報・告知の重要性を痛感する。

告知こそ少なかったものの、私のブースに訪れた方も多かった。
有名ブロガーでありボ育てvol.3にも大きく関わった「さと」様はお子様連れで賑やかに来場。
初心者を自称しながら、その優しさと大胆さで多くの方から愛される「すがエリ」様。
先日の放送でも多くの作品を紹介された知識・人徳に溢れる「ボドっていいとも!」MCの翔さん。
遠方の九州からも有名ツイッタラーの「とりま」様や「大chan」様など、日頃SNSでお見かけする方が多く、こちらが平身低頭になるばかり。

購入を諦めた作品もいくつかあったが、その都度、助けてくださったのも、やはり「人」だった。
「きっとブースでつきっきりだと思って、持ってきたんです」
そう言って予約した作品をわざわざ私のブースまで届けてくださった、かぶけんさん、ピリオドゲームズ様、本当にありがとうございました。

終了時間まで客足が途絶えることもなく、撤収の時間も差し迫ったため、16時30分からいそいそと片付けを始める。
声を張り上げ、ボタンを用意し、それでも笑顔で許して頂いた隣の石膏粉末工房様にはご迷惑をおかけ致しました。

17時、終了の拍手が鳴る。
急いで段ボールを梱包し、外へと向かう。

冷たい雨。
普段は傘をささない私も、たまらずコートのフードを頭にかぶる。

「いかが屋」主催の打ち上げパーティにその足で向かう。
すでに多くの方が華やいだ声で盛り上がりを見せる。前日会とは雰囲気が変わり、反省会を行う方、楽しくお酒を酌み交わす方、早速購入したばかりのゲームで遊ぶ方など、政策云々の枠を取り払った賑やかな会となった。

私は、というと、完売とまでは行かずとも多くの作品が手元から去り、また初の4コマ漫画も手元にはほぼ残らないほどの人気を博し、印刷代も無事に回収できるほどの売り上げを確認した。
口にするのは勝利の美酒だ。末期の水とならなくて良かった。


酒は憂いの玉箒(たまははき)
悲しい気分の時は、お酒の力を借りてでも「笑い」を生み出す
大人になればそんなある意味「力技」も必要となるのかな。

この日の夜も大阪に滞在すると決めたため、いつもより多くのお酒を口にする。

また明日から
そんな気分も、まずはアルコールに溶かし、一夜だけでもゆっくり楽しむことに決めた。



酔いの回った頭で、自分のできること、求められることって、なんだろうと考えた。

SNSという言葉だけのコミュニケーションでは、多くの情報の一部しか伝えることができない。
それゆえ、こちらの思惑とは違う形で情報が流れることも多分にあるだろう。
だからものを売る際は、直接内容を伝え、説明し、相手に満足してもらいたい。
だからこその「対面販売」だ。

委託だろうが通販だろうが、そこには何かしらの「人」が存在する以上、より良いものへと吸収するべきものは「人徳」なのだ。
人と人との温かさといった甘い部分だけではなく、現実社会につきものの「冷たさ」をも甘受しつつ、それらを混濁併せ呑んでこそ、人徳が形成されるのだ。

とはいえ、「冷たさ」ばかりを恐れて周囲に溶け混んでばかりいては、平均点以上を取ることは難しいだろう。

だからこそ、もっと秀でた存在になりたい。

それは決して無茶・無謀といったことではなく、未だ眠っているであろう「独自のアイデア」を織り成し、世に生み出せるものでありたい。

勉強しなくては。
さらに多くのことを学び、変換し、作品にアウトプットしなくては。

その為には、多少「出る杭」として、打たれることも覚悟しなければならない。
打たれたと自覚できたならば、逆に「自分は出る杭」である証拠とも言えるではないか。


シーツにくるまりながら、当日の写真が一枚もなかったことを反省し、明日、店舗にご挨拶として回る分の小冊子を横目で確認し、眠りに落ちた。

つくづく今回の遠征では、ラムネ菓子の底力を痛感することになる。

(3日目に続く)http://hibikre.blogspot.com/2019/03/blog-post_14.html



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