2018年11月28日水曜日

たまごさんの話

たまごさんのことについて書かせて欲しい。

たまご.egg氏(以下「たまご」さん)、関東一円、特に横浜、川崎を中心に活動の拠点を広げる。
インスト(インストラクション、ゲーム導入部の説明を担当する役回りのこと)の達人で、重いゲーム、軽いゲーム、どんなゲームでもその「聞かせ方」がとても上手い方として知られる。

そんな方から連絡があったのは、ゲームマーケット当日の運営体制で頭を抱えていた3ヶ月ほど前の盛夏だっただろうか

「どうしてもそちらのブースでお手伝いさせてくれませんか」

ちょうど人手も足りなかったことと、何よりあのインストの名手がブースに立ってくれるというだけでも百人力という言葉に反応し、私は一も二もなく飛びついた。

当日は言わずもがな。前日もブースに立っていたという疲労の色を見せることなく日曜もブースに立ったたまごさんは、私の小冊子を事前にパラパラとめくっただけで内容の概略を掌握、そのままブースで宣伝活動に従事してくれた。
お陰さまを持って、我が小冊子は無事、予定数を全て完売する快挙を成し遂げたのだった。

その後の話。

以前よりたまごさんは「ボランティアです。謝礼は必要ありません」と断固としてお礼を受け取ろうとしなかった。
そこで私は、片付けの最中、そっと前日に購入した「クランズオブカレドニア」の包みを手渡そうとした。
たまごさんは苦笑しながらこうつぶやいた。
「そうじゃ、ないんですよ…。」

私は結局プレゼントの包みを持ち帰ることとなった。


社会に出て間もない方へ。
覚えておくといい。
世の中には少なからず存在するんだ。
「人の喜ぶ顔」が大好きで
「人が喜ぶ」ことを何より自分の幸せに還元できる人が。

そんな人の一番の栄養は
こちらが最大限の笑顔を見せること。
こちらが一番幸せになってあげることなのだ。


たまごさんは沖縄在住だけれど、数年前まで川崎近隣で「たまご会」というボードゲーム 会の主催も担当されていた。
会費は基本500円だが、お菓子を持参で-100円、遠方からいらっしゃった方は−100円、途中で抜ける方は−100円、逆にずっと滞在される方は−100円…etc
最終的に100円で数時間遊ぶこともできる、実に太っ腹な会を運営されていることで有名だった。
もちろん会そのものは毎回大赤字だったことだろう。
それでも多くの方が「たまごさんの会なら」と遠方から駆けつけ、たまご会には数々のボードゲームが並び、多くの参加者やクリエイターが参加される会となった。


自分の身代を削ってでも相手に奉仕するたまごさんだから、悪い人間からのオファーもあったことだろうと察する。
しかるに、それらを取り巻く多くの善導者が、たまごさんを守り、支えてくれた。
「善導をもって悪を取り払え」とは、ブッダの言葉だったかと思う。

会の最後は、自分の疲れを見せず、一人一人に返信するたまごさんを、誰もが愛し、誰もが慕った。
たまごさんと同様、私たちも皆、たまごさんの喜ぶ顔が好きだからだ。

ゲームマーケットが終わり、祝勝会と称し、二人で焼肉を食べることにした。
が、疲れと睡眠不足も相まって、終始無言のまま肉を頬張ることとなった。
カルビよりも塩タンよりも、最後の方に注文した、鶏ガラベースのわかめスープが美味しかったという意見で一致した。
そこでようやくお互いに笑みがこぼれた。

ふと、一筋の涙が頬を伝った。
バレないようにそそくさと拭ったのだが、気づかれてはいなかっただろうか。



たまごさん
いつも深夜遅くまでご苦労様です。

たまにはゆっくりして、英気を養ってください。
そして一月、必ずそちらに遊びに伺いますから。


抱えきれないほどのお土産をカバンに詰め込んで、ね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

笑われて、笑われて

 5月から心機一転開始した日々の4コマが、今日で150話、2年間ちょっとに及ぶ過去の連載文を含めると794話と、800話も目前となった。 今度の4コマも無事に2巻目の入稿を済ませ、次回イベントで1,2巻も含めた初めての頒布となる。 日々苦しい執筆だった。 心に響くしんみりとした言...