2018年12月3日月曜日

汗と涙の関西遠征記 初日

よし、クイズしよう!


きっかけは本当に勢いだった。
「私はボードゲームのクイズができるなら、全国津々浦々、どこでも駆けつけます!」
そんなツイートを書き込んだ手前、何かしら矜持のようなものもあったかもしれない。
「できるのか?」
「やってみろよ!」
そんな遠方の野次を浴びながら、私は心の赴くまま、なけなしのお金をはたいてチケットを取り、12月1日、一路、神戸三宮へと向かった。

ゲームマーケット2018秋。
私のブース「番次郎」では小冊子の新刊を頒布した。
しかしながら、ブースに立つ張本人に、その自覚は薄れており
「遊びに行きます!」「クイズをしに行きます!」
浮かれていたのだろうか。もっぱらツイートにはそんな言葉だけが踊っていたように思える。

新神戸駅。AM9時42分。
先日の有明の寒波はどこへやら。
待機列は冷えるだろうと用意した携帯カイロは今回も使わずに終わるだろうと危惧するほどの好天に恵まれる。
私はスーツケースいっぱいに積まれた荷物を抱え、一路、神戸クリエイティブセンターKIITOへと向かった。

10時に到着すると、主催のコロンアークの田邊氏を筆頭に、数名のスタッフと思しき方が設営を開始されていらっしゃる。
私もそれに混じり、早速机・椅子の搬入を行うことに。
暗く冷えた体育館のようなKIITO室内に灯りがともり、人が加わり、看板が設置され彩も添えられ、会場はほんのりと熱を帯びていく。

10時30分ごろに個人ブースの設営を開始する。
ゲームマーケット当日はお手伝いさんと二人で設営したので、今回初めてブースの設営を一人で行うこととなったが、長机一つに並べるというだけでも、1時間を超える時間を必要とした。



準備完了の写真をツイート上に流し、下唇をきっと噛みしめる。

始まるのだ。

初めての地で、売るのではなく「楽しさ」を提供する。
今日は私自身が全力で「楽しむ」1日にするのだ。

PM12時。盤祭1st.が幕を開ける。
大勢の方が奥へ奥へと列を連ねる。


声をあげ、新刊のアピールを行う私に、沿道の方が興味を示す。
早押しボタンに手をかけるので、早速問題を読み上げる。
ゲームマーケット同様、初めての方でも手に取りやすい問題の方に程よい感触がつかめたようだ。

Twitter上でお見かけする多くの方も訪れる。
「いかとりにょりとおけいのいかがわしいラジオ」人気MCのいか氏、月刊漫画ジヘン好評連載中「天王寺さんはボドゲがしたい」作家mononofu先生、ダブルナインなどのポップなイラストで知られるプラネ画伯、ボードゲーム&クイズ会「Table-ON」主催者で知られる杉・俺太郎氏、主催ゲームマーケット最終候補にノミネートされた「ドッペル言語」製作サークル「昼夢堂」作者flat氏など。まだまだ大勢の方がいらっしゃった。
後日、ゲームNOWAのかぶきけんいち氏のツイートに私の必死に読み込む姿が上がっていたが、見るからに魚河岸の競り市場を彷彿とさせ、我ながらひときわ汗臭いブースだったかと反省する。

とはいえ、早押しボタンは好評で、問題を読むと多くの方が興味を示してくれる。
「俺も、俺も!」とボタンに手をかけ、問題を読む声に思わず力が入る。
小冊子頒布後、好意ある声の中、批判的な声、商標登録をちらつかせる声なども耳に入り、数日前からナーバスな状態が続いていた。
表題のNEXTAREA、次の場所へ、とは、それら裏向きな意味合いも込められていた。
しかしこの「問題を読む時間」だけが、脳内で麻薬のようなものが放出されるような感覚に陥った。
心の底から楽しいと思えた瞬間だった。

お会いできた方の中でも印象的だった方を数名だけ紹介したい。
大ちゃん様はゲームマーケット秋でもいらっしゃった方。今回も参加され、ボタンを押しにいらっしゃった。
とてもユニークな問題を提供されましたので、私自身、とても参考に、勉強にさせていただきました。ありがとうございます。

こっぺ様もゲームマーケット秋にもいらっしゃいました。
「構成の方、担当しますよ」というご意見を頂戴する。
前回、今回の制作で多くの方にご迷惑をおかけしたこの問題、次回以降、きちんと向き合わなければならない。
実力のある方の構成があるならば是非お願いしたい。そのことに気づかせていただきありがとうございます。

もうお一方。お名前を失念致しましたが、私の兼ねてからクイズに関する悩みを話したところ、その方もクイズに携わっていらっしゃる方で、私と同様に考えていらっしゃる、その気持ち、方向性だけでかなり気持ちが救われました。
あの時は本当にありがとうございました。


飲まず食わずで3時間が経過し、喉が限界に達したため、たまりかねて自販機にお茶を買いに向かう。
そこでしばしの時間、買い物を済ませた。
ぺけ先生の額縁入りイラストは制作中ずっと励ましとなっており、今回の新作ももちろん購入。
万屋楽団様の新作も普段のツイキャスライブから制作の苦労・工夫等を聞いており、これは入手すべきと思い購入。
プラネ画伯の画集を見かけた瞬間迷うことなく購入。
目の前のDDTブースにて頒布中の妖怪セプテットは財布の中の所持金不足でやむなく諦める。危うく売上金に手をつけるところだった。

PM4時、残すは1時間。
すでに下巻とEXTENDが完売御礼。
中には片付けを始めるブースもちらほら。
私はそれでも声を上げ、最後の追い込みをかける。

遊びに来る。ボタンを押しにくる。
問題を読み、「正解!」の声を上げる。
ふと気がつく。
クイズの何が好きだったのか。

問題を読みあげた時、相手が「わかった!」と答えてみせる、
その瞬間に見せる笑顔が好きなのだ。
その瞬間に「相手(解答者)と気持ちが通じた!」と実感できる、その瞬間が大好きなのだ。
だから私は解答側よりも「司会側」の方に力を入れるのか、と。

クイズって、やっぱり面白いよ。


PM5時。無事に閉幕。
結果、予定数を大幅に超える小冊子を頒布することができた。
しかし、それ以上に、多くの方をクイズに誘うことができたことが何よりも嬉しかった。

駆け抜けた。5時間、フルマラソン以上だ。
ふぅと飲み残しのお茶を開け、いそいそと撤収を始める。
ブースの方も含めた全員で椅子やテーブルを片付ける。小さい会場ならではの、主催側と出展側の一体感。
これらが味わえることも一つの醍醐味なのだろう。

熱気を帯びた会場が、冷たい体育館の姿に取り戻す。
その姿を背にしホテルへと到着した私は、結局その日に向かうはずだった近隣のゲームカフェの予定などを全て投げ出し、こんこんと眠りについた。

睡魔に陥る直前、明日寄贈する予定の小冊子だけは、何とか目視で確認することができたのだった。




(2日目に続く)









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