2022年3月29日火曜日

先を読む

 先週くらいから表紙、裏表紙、ひいては新刊本全体のイメージを手探りでつかみ、何とか終盤にそれらが収束に向かう感覚を覚えた。

全体のテーマは「ミントグリーン」、爽やかな作品を目指すことに決めた。

以前のデザイン講義だったかと思う。

8月、炎天下の中でのコミックマーケットで頒布された「熱中症対策マニュアル本」という同人誌に対し、デザインの師が「こうした本は5月に読みたかった。熱中症たけなわの今読んでも感動は薄れる」旨のアドバイスをされた。

創作時期や頒布時期ではなく、実際に手に取ってもらった読者が、いつその本の喜びを享受できるか、そこまで先、先を読まなければならないと、側で眺める自分も勉強になった。


感染症禍も開けぬまま、もう2年ほどの月日が流れた。

ゲームマーケットを含む全国各地のイベントも厳戒態勢の中ながら少しずつ開催される。

そんな中、新作を出品される制作ブースの方々が、どれくらいの分析をもって作品を出すのだろう。

特に昨今はクラウドファンディングの影響もあり、制作時期の垣根を超え、その結果、時期的特性など特段意識せずとも、好きな作品を好きな時期に頒布できる態勢が整った。

自分の思い描いた創作物を、好きな時期に頒布できることは、逆を返せば、ゲームマーケットに合わせた新作を考えることもなく、中には「クラウドファンディング●●%達成!」と看板文句に、創作ゲームを頒布することが主体のブースもちらほら見かける。言うなれば、本当に各イベントが「お買い物イベント」へと傾きつつあるように映るのだ。ゲームマーケットの主催が提唱する「体験」を売りにするはずのイベントが、出展側から離れてしまうのではないか、そんな余計な心配をする自分がいる。


ゲームマーケットはボードゲームを手にできるイベントと捉えることもできるだろう。けれど、それは決して試遊がないから体験できない、会話を控えなければならないとコミュニケーションができない、と等価ではないはず。少なくとも「クイズ」という、出題者・解答者、相互の会話を通じたやりとりが主体となる自分は周りより機敏にそれを察知し、あれこれ行動に移した。会話のないクイズ、早押しのないクイズ、クイズがダメだった時の頒布品、等々。


作ったものを頒布すること、自分はその先の、興味を持って本を手にされた方に、少しでも喜んでもらえる作品を作りたい。

そのためにも、頒布の時期である初夏の時期に、流動的な世の中の情勢がどうなっているか、締め切りまでもうしばらく熟考したいと思う。



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